2007年05月19日
デジタルシネマで世の中は幸せになるか?!
《非劇場上映》って言葉はあまり一般的ではないですが、つまりは映画館などルーチンワークで上映をしている映画館ではない劇場での上映をさします。桜坂劇場は劇場ですが、例えば《あしびなー》などの多目的なホールでの映画上映や、公民館などの巡回上映が非劇場上映にあたります。そもそも映画が娯楽の王様だったころは、巡回上映は儲かる仕事でしたが、人口の都市集中や、映画の斜陽化で、巡回上映が不定期となり、しまいには田舎では映画が見れない状況が続いてます。
現在、文部科学省が文化的な視点でコミュニティシネマという概念を推し進め、経済産業省が産業の立場からデジタル設備を使用して非劇場上映を推し進めている。しっかり縦割りなのですが、僕ら民間はどちらとも付き合いつつ、映画を広く上映したいと考えているんで、今回この作業に関わることになりました。
5月17日、コザの沖縄市民小劇場あしびなーで、DCAJ(デジタルコンテンツ協会)主催による、地域映像文化振興のためのデジタルシネマ・シンポジウムがありました。これは新たに始まったDCAJの事業(経産省系)。地方ホールで定期的に映画のデジタル上映をしていく企画の準備です。簡単な設備と、安い経費で良質の映画を毎月上映していくことができる。桜坂劇場はその全体をプロデュースしていくことになる。現在、桜坂劇場とあしびなーが共催でおこなっている上映会の拡大版だ。まだ参加しているホールは少ないが、実績をあげて県内の隅々に映画を広めていけるようになれば楽しいと思う。
けっきょくいろいろ映画上映をやっているが、僕の場合の原動力って誰が好きとか、どの映画が好きって言うピンポイントな興味ではなく、なんか「こんな世の中って楽しいよな」的な漠然とした世界観だったりする。劇場の設備がゴージャスかどうかではなく、あっちでもこっちでも観たい映画や、好きな映画が観れると世の中が楽しくなるんじゃないかと思う。
ちなみに僕は会場に行く途中に車がエンスト。終わり頃に到着したのであまり話は聞けませんでした。生まれて初めてJAFのお世話になりました。困った人の役に立つ仕事って良いよなあ〜と、公園の地味な雑草の花畑でつくづく思いました。JAFのお兄ちゃんありがとう。
現在、文部科学省が文化的な視点でコミュニティシネマという概念を推し進め、経済産業省が産業の立場からデジタル設備を使用して非劇場上映を推し進めている。しっかり縦割りなのですが、僕ら民間はどちらとも付き合いつつ、映画を広く上映したいと考えているんで、今回この作業に関わることになりました。
5月17日、コザの沖縄市民小劇場あしびなーで、DCAJ(デジタルコンテンツ協会)主催による、地域映像文化振興のためのデジタルシネマ・シンポジウムがありました。これは新たに始まったDCAJの事業(経産省系)。地方ホールで定期的に映画のデジタル上映をしていく企画の準備です。簡単な設備と、安い経費で良質の映画を毎月上映していくことができる。桜坂劇場はその全体をプロデュースしていくことになる。現在、桜坂劇場とあしびなーが共催でおこなっている上映会の拡大版だ。まだ参加しているホールは少ないが、実績をあげて県内の隅々に映画を広めていけるようになれば楽しいと思う。
けっきょくいろいろ映画上映をやっているが、僕の場合の原動力って誰が好きとか、どの映画が好きって言うピンポイントな興味ではなく、なんか「こんな世の中って楽しいよな」的な漠然とした世界観だったりする。劇場の設備がゴージャスかどうかではなく、あっちでもこっちでも観たい映画や、好きな映画が観れると世の中が楽しくなるんじゃないかと思う。ちなみに僕は会場に行く途中に車がエンスト。終わり頃に到着したのであまり話は聞けませんでした。生まれて初めてJAFのお世話になりました。困った人の役に立つ仕事って良いよなあ〜と、公園の地味な雑草の花畑でつくづく思いました。JAFのお兄ちゃんありがとう。
2007年05月16日
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2007年05月16日
イカした財布をGet
仕事に煮詰まってくるとPANAに立ち読みに行くのが日課です。スタッフがいろいろ面白い商品を探してくれているので、立ち読みにも精が出るのです。おかげでけっこう自分とこの劇場にけっこう金を落としているような気がします。そこでもっと客を呼ばねばと思って宣伝です。ちょっとイカした品を見つけて衝動買いをしたのでご報告いたしましょう。
ビニール製の長めのポストカードのような形ですが、使うときは二つ折りにします。おしゃれなデザインで、裏返すとお札と小銭がシースルーで見えるところが素敵です。普通、財布というのはレシートなんかが溜まって意味なく太くなったりしますが、この財布だと、見栄えが気になるので小まめにお手入れせねばならないところが情操教育としても良いような気がします。それになんといってもこの財布は軽いのが良い。ポケットに入れておくと、本当に入ってるのかわからないくらい軽い。なくしても、忘れても気がつかないんじゃないかというくらい軽い。ポケットをみっともなく膨らましている方には最適です。
僕が買ったのはSF少年の心を熱くかきたてた小松崎茂画伯のイラスト。ほかにも花くまゆうさくとか、いろいろ取りそろえているので、男女に関係なく使えます。文:プログラム・ディレクター真喜屋力
2007年05月16日
『恋しくて』那覇市内の上映で10,000人突破!
『恋しくて』の沖縄公開から2週間が過ぎ、3週目に入ったばかりの5/12(土)。『恋しくて』の那覇市内での観客動員が10,000人を超えました。那覇市内では桜坂劇場とリウボウホールの二館での同時公開という、単館系映画にはなかなかありえない、いわゆる《二館取り》での公開という、地方公開にはあるまじき特殊な上映形態でしたが、それが功を奏したのかあっという間の大台突破。桜坂劇場だけでもこの日、7,000人の大台に乗りました。当劇場の今までの記録は7,000人を超えるのに『フラガール』の16日、『かもめ食堂』の20日ですから、もんくなく新記録の誕生です。ちなみにゴールデンウィークに行われた石垣上映の観客動員7,000人を足すと、昨日の5/15で沖縄上映の動員は、3週間で20,0000人を超えたことになります。
この記念すべき1万人の大台が出ると予想された12日。劇場の受付には何やらでっかい金の玉ならぬ、金色のくす玉がぶら下がっておりました。受付脇でカウントしていた映画プロデューサーの新井さんの掛け声で、見事10,000人目の来場者の頭上でくす玉が割れ、紙吹雪とともに祝杯。ラッキーな10,000人目を仲良く手に入れたのは読谷村からお越しの二人の女性、松田美紀さんと能勢奈菜さん。大きな花束と景品が手渡されました。『恋しくて』はこれから全国でも上映されていきますが、この勢いで広がっていくことを期待いたします。
文:プログラム・ディレクター真喜屋力
2006年12月17日
フランスに行ってきました 03
さて、長い前置きを終えて、いよいよ本題である。e-magicians v2006に参加するため、TGVでパリを通りすぎ、ベルギー国境に近いバレンシアンヌ地方へ。ここは炭坑の街だったらしいのだが、閉山とともに高い失業率に見舞われ、その対策として多くの職業訓練校が作られた。その中の一つがSUPINFOCOM(スパンフコム)と言うCGクリエイターの学校。で、そこが中心になって行なうe-magiciansという催しが、ここで行なわれるのだ。アングレームとは違って、由緒正しい町ではないが、古い地方都市といったおもむき。ホテルのオヤジも気さくでいい感じ。夕方になると、どう見ても泊まり客じゃないオヤジたちが集まってカード遊びをしながらビールを飲んでいる。ほんわかした良い意味で田舎の人の良さがあふれた土地だった。ここにフランス中から若者が集まるのも不思議な感じだった。
e-magiciansはモダンなデザインのLE PHENIXという多目的コンベンション施設で三日間にわたって開催された。フランス中から学生の作品が集められたコンペティションをメインに、優秀な作品のメイキングを解説したり、新しいソフトウェアの説明会、ハリウッドのDREAMWORKSロンドン支社の人が来てアメリカの学生や、DREAMWOAKS PRESENTSの短編作品の上映など、その他にいろんな講演もおこなわれる。おもしろいのは会期中にテーマに沿った作品を制作するWEBJAMというバトルコーナー。運営はしっかりとしているが、参加者の多くが学生とあって、学園祭のノリのウキウキしてくるお祭りである。
またオープニングイベントとして、『キリクと魔女』のミシェル・オセロ監督の新作『Asur et Asmar(アジュールとアズマール)』を、近くのGoumont社のシネコンでデジタル・プロジェクターによって上映。同時に監督によるティーチ・インと、過去の短編作品も上映されたりした。『Asur et Asmar』は、いかにもフランスらしい淡々としながらも美しいアニメーション。これは後にメイキングの説明会も行なわれた。もちろん、デジタル上映も驚くほどハイクオリティ。作品がそもそもデジタル作品なので、相性も良かったのだろう。ミシェル・オセロも気さくな人で楽しかった。
コンペティション部門は3プログラムで、全部で40~50本近い作品。バリバリの3Dグラフィックスから、2Dの手書き風アニメーションまでいろいろ。中には意味不明のものもあったが、たいていはテーマもしっかりしていておもしろい。別に社会的なテーマと言う意味ではなく。さりげない場面でも、キャラクターの感情表現などがしっかりしていて、CGにありがちな“動きの派手さ"に頼らないおもしろさがある。つまり伝えたいものを伝えているのだ。技術レベルの高さは当たり前で、そこに何を描くかが問題。僕も台湾で若いスタッフとアニメを作っていた時に良く問いかけたことだけど、「君たちはアーティストになりたいのか、オペレーターになりたいのか?」ということことに対して、しっかりと「アーティストです」と答えてもらったような感じだった。そもそも語るべき事がない人はアーティストに向かないのだから。
最終日は授賞式。コンペティションのグランプリ他、様々な賞の発表。WEBJAMの作品は完成品の披露。こちらは引き続きWEB上で審査が続く。それにしても、ここの学生はすぐに紙飛行機を飛ばす。カンファレンスの最中でも飛んでいるのだが、授賞式となれば乱舞状態。どっかから持ってきた風船も飛ぶ。変な色の細長い風船だと思ったら膨らましたコンドームもだったりするから油断ならない。
受賞式は3時間も続き、グランプリが発表されるころには、ややおとなしくなっているものの、すでにステージ上は紙飛行機で真っ白になっているという楽しい状況。先生たちもうるさく注意する事もなく、むしろ煽って楽しんでいる。グランプリに選ばれたのは、『BLOOD FLOWER』とい、ややゴスっぽいダークなイメージのアニメだった。正直あまりおもしろくはないのだが、印象は後を引く。女性の作った流血ものってだけで、ちょっと男性にはきついかも。そんなこんなでフランスのCG映像の最前線を後にする。
2006年12月17日
フランスに行ってきました 02
夕方アングレームに到着。ここは歴史のある古い街。丘の上に旧市街があり、下の方に行くほど新しい街。下から旧市街を見上げると、『ロード・オブ・ザ・リング』に出た城壁都市といったおもむきがある。道も迷路のように入り組んでいて、外からの攻撃を惑わせる作りになっているようだ。この日は旧市街のホテルに変更。これがまた『シャイニング』の双子の幽霊が出てきそうな廊下のホテルで、ボロさと風格が渾然一体となっている素敵なホテルでした。
"作家の家"は、アングレームの街並に溶け込むように、というかもともと建っている建築物を利用した施設。小さな看板を見逃すと気がつかない。ここは日本的に言うと、昨今流行のシェア・オフィスのような感じで、テーブルごと、ブースごとに個人が借りて使用している。ただし、申し込めば誰でも使えるわけではなく、企画を申請して、それが通った人に無償で場所と機材を化し出す。だから金はないが企画を実現したいと考える若者たちの作業場にはもってこい。借りたアパートのように好きな事をするために借りるわけではないのがミソ。つまり、ここは個人が作業場として使うと言うよりも、ある企画のために利用する場所なのだ。
作業テーブル、ライトテーブル、パソコンなど、コミックやアニメーションに必要最低限のスペースと機材がおかれた整然として、ゆったりとした環境が用意されている。外国の建物は天井が高いので、床面積が狭くてもゆったり感じるのだ。若い作家たちは、ここで意見交換などもしながら、ゆったりと作品を作り続けている。県内にもインキュベート施設は数々あるが、仕事用の貸し出しスペースと、不特定多数の人が使うコンピュータ室のような教室しかみたことがないのだが、何か企画の募集みたいな形で作品プロデュースをしていったらおもしろいと思うのだが。
ここの使用期間は、3ヶ月から、最大4年使った人もいる。もちろん長期の企画は、途中で進行状態をチェックしていく審査も用意している。単純に施設を貸すだけではなく、着実に作品を生み出し続けるシステムができ上がっている。仕事場を探している若者には非常にありがたい施設だし、施設としても結果を出し続ける事ができる。
作家の家から歩いて数分のところに、これまた古い建築物を利用したバンド・デシネ博物館がある。古い建築とは言え、外装をガラス張りの近代的な建築で覆っていて非常にユニーク。バンド・デシネとはフランス風コミックのことだ。ざっと観た感じ、アメコミよりも大人向け。本もガッチリとした製本で値段も高い。大人の買う絵本というイメージがある。この博物館は、展示を中心に図書館と本屋、イベント的なギャラリーがある。展示はバンド・デ・シネの歴史。吹き出しのバリエーションらしく、ガラスケースに切り抜いた吹き出しが並べられているなど洒落っ気もあってけっこう楽しい。
壁などもコミックの書き割り風に作っていて、ユニークだ。図書館には日本のMANGAもフランス語版が多数おいてあった。書店コーナーで2冊ほど気になる本を購入。3,000円くらいでけっこう値がはる。中央集権国家のフランスでは、地方で出版産業が盛り上がる事はなさそうであるが、この町はある種、コミックの殿堂として風格を保っているように思えた。
2006年12月17日
フランスに行ってきました 01
12月の3日から、14日まで、ちょっとフランスへ行ってきました。記録の意味でも、日記をアップしておきます。フランス行きの目的は三つ。北フランスのバレンシアンヌでおこなわれるCGアニメを学ぶ学生たちの祭典、e-magicians v2006に参加する事。次の理由は、フランス中央部にあるアングレームという街の“作家の家”を訪ねること。アングレームはバンド・デシネやアニメーションで町興しを行なった古い街。“作家の家”とは産官学が共同で運営している施設で、若い作家に部屋と機材を貸し出して支援を行なう場所。そして最後にパリ見物である。せっかく来たのだ。それに街を観るのはそこに住む人のメンタルな部分を知る最良の方法だと思っている。フランスを知るためにもひたすら歩き続けるのが目的。ちなみにこの旅に備えて日本で用意したのは二つだけだ。新しい靴と方位磁石。山にでも行くのかと笑われた。
そんなこんなの長いフライトを経て到着した、パリの初日は夜だった。ホテルに着いたのはまだ午後8時なのに、同室の連中はもうすでにお休み。真っ暗なまま。そう宿代をけちってユースにしたのだ。外で晩飯を食べて、宿に帰っても寝るしかできない。翌朝は早朝出発なので、けっきょく部屋の明かるい状態を知らないままにユースを後にする。もうユースはコリゴリだ。でも、なかなか味のある建物で、階段が二股になっていたりして、日本人では思いつきそうにもない有機的なデタラメデザインに感動する。
そして翌朝、駅からTGVに乗って南へ。アングレームに向かう途中でFUTUROSCOPE(フチュロスコープ)というテーマパークへ立ち寄る。未来都市のイメージしたテーマパーク。基本的にどのパピリオンもIMAXシアターだ。そのとき日本とメールのやり取りをする必要があったので、あちこち探すがどこからもメールを送る事はできない。しまいには事務所らしきところに突入し、頼み込んでGmaiでメールを送らせてもらう。フランス人は意外に優しい。但し、なぜかそのメールは届いてなかった事が後から判明する。その後いくつかの映像施設を堪能。単純だがやはりでかい画面で映画を観るのは楽しい。リュミエール兄弟の『列車の到着』など、映画の草創期には、電車が駅に入ってくる映像を見て、観客が逃げ惑ったらしいが、映像作品の本質ってのはやはり《動いているのがおもしろい》ってことだ。
2006年10月30日
東京レポート
東京にやってきました。土曜日のうちに入り、吉祥寺バウスシアターのオールナイトへ。石井聰互監督の特集。音響はライブ用のスピーカーを仕込んでの超爆音上映会。昔見た作品だったけど、音圧がものすごい。満席だったので後ろの方で見たんだけど、壁にもたれると爆音で壁がビリビリ震えていた。
日曜日は『蟻の兵隊』の宣伝のため、監督の池谷薫さんの事務所へ。DVカメラを回して取材いたしました。池谷さんはこの映画の宣伝で、あちこち飛び回っていて、この日も福島から帰ってきたばかりとのこと。沖縄に来る時も、東京からじゃなくて広島から入るんだよね。精力的に動かれています。また、話題は自然と奥村和一さんのことになる。奥村さんのおちゃめなキャラクターは、この作品の魅力になっている。早く本物に会いたい。11/11のトークショーが今から待ち遠しい。
その後、渋谷のライズXにて『悪魔とダニエル・ジョンストン』を鑑賞。ライズXは無茶苦茶狭いスペースを無理やり二階席まで作ったビデオシアター。スクリーンが一階からも二階からも見づらいという変な劇場。ともあれ映画は期待通りおもしろかったです。ダニエルは躁鬱病のミュージシャン。精神を病んでいるが、頭が悪いわけではない。むしろ天才肌のアーティスト。ちょっと聞くと、曲の調子がはずれている気もするが、彼自身の心の痛みや、浮かれた躁状態が伝わってくる切ない魅力を持っている。また彼が心の病を持ったことの原因として、キリスト教原理主義者の母親の影響があげられていたので、家族の関係はもっとギスギスしているのかと思っていたが、両親のインタビューもあったし、その内容も自分たちの関係をしっかり見据えているようで、人の家庭ながら安心してしまった。でもそれだけに、彼の病気が切ないのだが。うまく感想がまとまらないのだが、幸せでもないが不幸でもない、ピュアでもあるが、悪魔のようにもなるダニエルのロクデナシ人生が、うちあたいとともに押し寄せてくる。
ついでに大好きなフレディー・マーキュリーのドキュメンタリーを観に新宿へ。素晴らしい音楽と、充実したインタビューと、意味のないイメージショットと、才能のない演出にイライラさせられただけだった。もっとどうにかなっただろう!
その後、ひさしぶりに歌舞伎町の天下一品でラーメンを食して宿に帰る。
日曜日は『蟻の兵隊』の宣伝のため、監督の池谷薫さんの事務所へ。DVカメラを回して取材いたしました。池谷さんはこの映画の宣伝で、あちこち飛び回っていて、この日も福島から帰ってきたばかりとのこと。沖縄に来る時も、東京からじゃなくて広島から入るんだよね。精力的に動かれています。また、話題は自然と奥村和一さんのことになる。奥村さんのおちゃめなキャラクターは、この作品の魅力になっている。早く本物に会いたい。11/11のトークショーが今から待ち遠しい。
その後、渋谷のライズXにて『悪魔とダニエル・ジョンストン』を鑑賞。ライズXは無茶苦茶狭いスペースを無理やり二階席まで作ったビデオシアター。スクリーンが一階からも二階からも見づらいという変な劇場。ともあれ映画は期待通りおもしろかったです。ダニエルは躁鬱病のミュージシャン。精神を病んでいるが、頭が悪いわけではない。むしろ天才肌のアーティスト。ちょっと聞くと、曲の調子がはずれている気もするが、彼自身の心の痛みや、浮かれた躁状態が伝わってくる切ない魅力を持っている。また彼が心の病を持ったことの原因として、キリスト教原理主義者の母親の影響があげられていたので、家族の関係はもっとギスギスしているのかと思っていたが、両親のインタビューもあったし、その内容も自分たちの関係をしっかり見据えているようで、人の家庭ながら安心してしまった。でもそれだけに、彼の病気が切ないのだが。うまく感想がまとまらないのだが、幸せでもないが不幸でもない、ピュアでもあるが、悪魔のようにもなるダニエルのロクデナシ人生が、うちあたいとともに押し寄せてくる。ついでに大好きなフレディー・マーキュリーのドキュメンタリーを観に新宿へ。素晴らしい音楽と、充実したインタビューと、意味のないイメージショットと、才能のない演出にイライラさせられただけだった。もっとどうにかなっただろう!
その後、ひさしぶりに歌舞伎町の天下一品でラーメンを食して宿に帰る。
2006年10月20日
複雑な気持つ…
この数ヶ月、けっこう安定してお客の見込める作品の上映が増えてきた。最初の一年はどれも週単位で作品が入れ替わっていたのに。一年前は「二週間もやってお客が入るのかしら?」みたいな気分だったのに、最近は「2or3週?いや4週?」という作品もある。劇場の認知度が上がり、お客さんがきてくれるおかげである。
しかし、悲しいことに作品が入り出すと、プログラムの交通整理がたいへんになる。長い作品を順番に頭から入れていければ楽だけど、映画にはやはり公開に適した時期がそれぞれある。それをぬって作品をスケジュールにはめ込むのは、もうパズルである。短い周期でたくさんの映画を上映していた時は、まだ楽だった。無理やりハメルと、いびつなプログラムになる。また当然ながら一本の作品の上映期間が長くなると、公開本数も減る。つまり上映作品にバリエーションが出しにくくなるのだ。いや、これは贅沢な悩みであることはよくわかる。心情的には、お客が入らないけど良い作品を細く長く上映したいという気持ちもある。現実的には難しいけどね。工夫のしようはまだあるのかも知れない。なんとか絶妙なプログラム方法を考えないといけない。それに最近まとまった日数が取れずに、特集上映もおざなりだ。もう少し頭をひねらねば…と反省の日々である。
しかし、悲しいことに作品が入り出すと、プログラムの交通整理がたいへんになる。長い作品を順番に頭から入れていければ楽だけど、映画にはやはり公開に適した時期がそれぞれある。それをぬって作品をスケジュールにはめ込むのは、もうパズルである。短い周期でたくさんの映画を上映していた時は、まだ楽だった。無理やりハメルと、いびつなプログラムになる。また当然ながら一本の作品の上映期間が長くなると、公開本数も減る。つまり上映作品にバリエーションが出しにくくなるのだ。いや、これは贅沢な悩みであることはよくわかる。心情的には、お客が入らないけど良い作品を細く長く上映したいという気持ちもある。現実的には難しいけどね。工夫のしようはまだあるのかも知れない。なんとか絶妙なプログラム方法を考えないといけない。それに最近まとまった日数が取れずに、特集上映もおざなりだ。もう少し頭をひねらねば…と反省の日々である。
2006年10月15日
『ミッドナイトムービー』と観客
まだレンタルビデオが普及する前の時代。小さな劇場の深夜枠でのみ上映され、話題を呼んで大ヒットとなり、時代を超えて尊敬され続ける映画たちがあった。それらの作品は『ミッドナイト・ムービー』と呼ばれるた。『エル・トポ』『ピンクフラミンゴ』『イレイザーヘッド』など、それまでの映画の範疇を超えた、マイナーなインディーズムービーがなぜ大ヒットできたのか。映画『ミッドナイト・ムービー』は関係者のインタビューを集めてその時代を解きほぐす興味深い映画だった。なにより、単にカルト・ムービーを紹介するだけの作品になっていないところがおもしろい。映画の内容やメイキングにも触れるが、メインは製作者の心意気と、それをヒットさせようとする劇場主の言葉、それを支持する観客たちとその時代の空気。ちょっとした文化人類学の講座のように、映画ファンでなくても楽しめる様な造りなのだ。なかでも仕事柄、劇場主たちの言葉が心に響いた。彼らもまた自分の小さな小屋を使って、世界的にな作品を世に紹介し続けたのだ。同業者だと思うと、えらくかっこいい。
中でも感動したのは『ロッキー・ホラー・ショー』のくだりで、ファンクラブの会長たちが「ぼくらは製作者から映画をうばった」と言うところ。製作者の思いを超えて、映画が独り歩きし始める、なんともカッコいい瞬間に立ち会った人々の興奮が伝わってきた。
ともかく、映画は文化を作った。そんな時代の興奮を伝えてくれる。ミッドナイトムービーという映画の思春期のような微妙な時代を感じさせるユニークな映画だった。
2006年10月13日
東京行き、フランス行き
下半期は出張が多い。もうじき東京に試写を見に行く予定。ついでに石井聰互監督のオールナイトも行こうかなと、思案中。さらに長い目で見て、いろいろ企画を考えようということで、年内にフランスなんぞ行ってこようか思ってます。そっちはアニメーション関連の企画です。今日もいっしょに出かけるSさんとうちあわせ。けっこう日数を食うので、これから2月までのプログラムを早めに決めないといけないことに気がつく。細かいことは、メールでやり取りするにしてもだ、大枠は決めないと…死ぬなこれは。
フランスから帰ったら、桜坂劇場ではフランスのアニメの名作「王と鳥」の上映があります。そこでトークショーなんかをつけてフランス報告も企画中です。お楽しみに。
それと今日はベリーダンスのステージを桜坂劇場ではやりました。沖縄のベリーダンスの教室の先生と、その生徒さん。さらにヨーロッパから来た先生の先生。今までにない躍動感のあるステージだった。おもしろかったけど、劇場の構造的な工夫も迫られるステージでした。チャレンジしがいのある企画だったってことで。こんどはフラメンコに、インド舞踊と、世界のダンスが続きます。早々、先週は白百合クラブでしたしね。白百合クラブも新曲、新ダンスが飛び出す嬉しいステージでした。
2006年10月13日
難しいのだ
『フラガール』は大ヒット&良作であるのに、たった13日間の興行で終わってしまいました。そんなわけで12月23日からの再上映となりました。しかも今度はコザの沖縄市民小劇場あしびなーと"二館どり"です。クリスマスシーズンのフラダンスも良いかと思いますよ。何しろ感動しちゃうしね。
ともあれ、桜坂劇場は2ヶ月前にはスケジュールを決めないといけないので、ヒットしたからすぐに上映延長ということができないのが難点です。プログラム・ディレクターの真価が問われる所でもあります。こと『かもめ食堂』のように、東京での大ヒットを受けての上映なら、多めに取れるのですが、『フラガール』のように全国同時公開だと、公開の二ヶ月前なんて一般の人のあいだでは盛り上がってないわけです。その段階で、ヒットの度合いを確かめる術は…、試写会に行ってればもう少し判断がかわってたかもと思うと、悔やまれますが、この失敗は頭にたたき込んで次回のプログラムに行かしたいと思います。なんと言っても興行は水物です。今はもうすでに2月あたりのプログラムに着手しております。楽しいです。
ともあれ、桜坂劇場は2ヶ月前にはスケジュールを決めないといけないので、ヒットしたからすぐに上映延長ということができないのが難点です。プログラム・ディレクターの真価が問われる所でもあります。こと『かもめ食堂』のように、東京での大ヒットを受けての上映なら、多めに取れるのですが、『フラガール』のように全国同時公開だと、公開の二ヶ月前なんて一般の人のあいだでは盛り上がってないわけです。その段階で、ヒットの度合いを確かめる術は…、試写会に行ってればもう少し判断がかわってたかもと思うと、悔やまれますが、この失敗は頭にたたき込んで次回のプログラムに行かしたいと思います。なんと言っても興行は水物です。今はもうすでに2月あたりのプログラムに着手しております。楽しいです。
2006年10月03日
『ホテル・ルワンダ』in KOZA
桜坂劇場は桜坂という土地に根ざした劇場を目指しています。が…、ここを拠点に様々な映館をあちこち持って行きたいと常日ごろ考えております。これまでも新聞社と組んで出張上映や、実行委員会とともに開催した名護での『ナミイと唄えば』上映、農連市場での『恋するトマト』、久茂地公民館での『点子ちゃんとアントン』の上映など。そんなふうにいろんな人と組みながら、映館を待っている人のところにいけたらと思います。
で、コザの"沖縄市民小劇場あしびなー"さんからの声掛けで、ついにコザでの上映がスタートします。第一段は『ホテル・ルワンダ』。3日間限りですが、今後も定期的に上映して行く予定ですのでお楽しみにお待ちください。
2006年10月02日
『フラガール』いいぞ!
土曜日初日の『フラガール』観ました!ひいき目なしに、すごい良くできた映画です。いやもうね、観客が一体となって笑ったり泣いたり。あげくの果てに「あ〜…」とか、ため息ついたりして。もう僕だけでなく、全員がこの映画を好きになって、のめり込んでいることが判る。実際に、時代背景とか知らなくたって、ぐいぐい引き込まれてさ。ベタベタの涙ではなく、笑いながら涙がこぼれてくるような爽快感を味わいました。今年の邦画No.1でしょう。蒼井優の演技力のすばらしさはたまりません。その母親役の冨士純子もね、さすが仁侠映画のスター女優だけあって、そのたたずまいの迫力は、セリフなどいらない存在感でした。青春映画という枠を超えて、生きてくため、家族のため、村のために歯を食いしばって一人一人が戦ってる感じがもうたまりませんね。
監督の李相日といえば、ほんの数年前にデビューした若者です。日本映画学校の卒業製作『青 chon』でグランプリなど受賞。理由は忘れたけど、僕はその授賞式に顔を出してたっけ。その後も、彼の先輩が仕事仲間だったので、チョコチョコ事務所に顔を出す李監督とは同席する機会があったんだけど、何せ周りが先輩ばかり「おいっ、リー!」とか「李くん」とか、なんかぺーぺー感の漂う呼ばれ方をしていた。そんでこっちも、そんなに親しくないのですが、「あっ、李くんの新作か」とか、"くん"呼ばわりをしていました。しかし『フラガール』観ると、やっぱすごいね。ちゃんと、まっとうな映画で勝負できる実力派だなって感心しました。これからは「李監督」と呼びます。
劇場としてはこの傑作を、一人でも多くの人に見てもらうべくがんばりたいと思います。みんな、だまされたと思って観てね。
2006年09月17日
ヅラ刑事に会う
先週、札幌空の出張帰りに、東京にたちよる。渋谷のイメージフォーラムで、当劇場でも公開予定の『蟻の兵隊』を観る。お客さんでぎっしりの劇場。腹にズシリとくる映画でした。沖縄公開も楽しみ。
その後、フラフラと公園通りに歩き、トイレに行きたくなったのでPARCOに入ると、なんと『ヅラ刑事』のイベントでデハラノリユキ氏の作品展『ヅラ展』をやっていた。しかも、主役のモト冬木さんのサイン会も!もちろん『ヅラ刑事』は桜坂劇場でも上映予定なので、まずはトルネード・フィルムのKさんにご挨拶。でデハラノリユキさんとモト冬木さんにもご挨拶して、ポスターにサインもいただく。近々、劇場にも張り出されることでしょう。お楽しみに。
トイレが取り持つというところが、なんとなく似合っている不思議な巡り合わせに感動しつつ、東京を後にしたのでありました。
その後、フラフラと公園通りに歩き、トイレに行きたくなったのでPARCOに入ると、なんと『ヅラ刑事』のイベントでデハラノリユキ氏の作品展『ヅラ展』をやっていた。しかも、主役のモト冬木さんのサイン会も!もちろん『ヅラ刑事』は桜坂劇場でも上映予定なので、まずはトルネード・フィルムのKさんにご挨拶。でデハラノリユキさんとモト冬木さんにもご挨拶して、ポスターにサインもいただく。近々、劇場にも張り出されることでしょう。お楽しみに。トイレが取り持つというところが、なんとなく似合っている不思議な巡り合わせに感動しつつ、東京を後にしたのでありました。
2006年09月17日
札幌へ出張
もう一週間前の話ですが、札幌でコミュニティシネマ・上映者ネットワーク会議と言うのに出席しました。この会議には全国から上映団体や、ミニシアターの人が集まってくる。僕らも普段は沖繩という閉じた地域にいるので、こういう機会には、お金払ってもぜひ行くべきだろって思い、出張費出してもらって行ってきました。
東京から乗り継ぎで入った会場では、すでに湯布院映画祭の中谷健太郎氏の基調講演が終盤。スクリーンに映し出された『アイガモ農業』のスライドショーにぐっときた。映画とは直接関係ないのだが、地域とのむすびつきやこだわりがなければ、地面に生えた劇場や映画館はできないのである。
休憩後、Sapporoショートフェスト2006の山岸正美実行委員長からのプレゼンテーション。韓国から来たチョン・スワンさんによる、全州(スチョン)映画祭の模様が語られた。
その後、『デジタル時代の映画上映』のディスカッション。例によって幅の広い分野の内容である。機材の問題から、デジタル映画とは何かみたいな定義の部分まで。話はおもしろいが今一つまとまらない。まあ討論会というのはそんなものだ。未整理なことを自覚するだけでも意味がある。なにより交錯した情報が生々しいのだ。
その後、懇親会では様々な劇場の人と雑談程度だが情報交換。
翌日は映画教育についてとデジタル上映についての分科会が開かれたが、デジタル上映というテーマにも興味はあったが、前述の通り渾沌とした世界に踏み込むような気がしたので。映画教育についての分科会を受けた。こちらのテーマも次世代の観客を作るという意味で、ぼくにとっては切実なテーマである。
金沢のシネモンドでの取り組みについての発表。とにかく実体験は聞いていておもしろいし役に立つ。ともあれ、日本のあちこちでミニシアターや上映団体は努力をしている。桜坂劇場はもともとの小屋がでかいので恵まれているのは確かだけど、ゆだんしてると飽きられてしまうにちがいない。見習うことの多いことを実感する。
東京から乗り継ぎで入った会場では、すでに湯布院映画祭の中谷健太郎氏の基調講演が終盤。スクリーンに映し出された『アイガモ農業』のスライドショーにぐっときた。映画とは直接関係ないのだが、地域とのむすびつきやこだわりがなければ、地面に生えた劇場や映画館はできないのである。
休憩後、Sapporoショートフェスト2006の山岸正美実行委員長からのプレゼンテーション。韓国から来たチョン・スワンさんによる、全州(スチョン)映画祭の模様が語られた。
その後、『デジタル時代の映画上映』のディスカッション。例によって幅の広い分野の内容である。機材の問題から、デジタル映画とは何かみたいな定義の部分まで。話はおもしろいが今一つまとまらない。まあ討論会というのはそんなものだ。未整理なことを自覚するだけでも意味がある。なにより交錯した情報が生々しいのだ。
その後、懇親会では様々な劇場の人と雑談程度だが情報交換。
翌日は映画教育についてとデジタル上映についての分科会が開かれたが、デジタル上映というテーマにも興味はあったが、前述の通り渾沌とした世界に踏み込むような気がしたので。映画教育についての分科会を受けた。こちらのテーマも次世代の観客を作るという意味で、ぼくにとっては切実なテーマである。
金沢のシネモンドでの取り組みについての発表。とにかく実体験は聞いていておもしろいし役に立つ。ともあれ、日本のあちこちでミニシアターや上映団体は努力をしている。桜坂劇場はもともとの小屋がでかいので恵まれているのは確かだけど、ゆだんしてると飽きられてしまうにちがいない。見習うことの多いことを実感する。
2006年08月10日
農連市場で上映会
いよいよ『第一回那覇まちぐわぁー映画祭』が開幕です。オープニングイベントとして、まずは農連市場での上映会。大地康雄さん監督作品の『恋するトマト』のじょうえいです。それよりもなによりも、農連市場での上映というのが個人的にはGood!
環境の良さは映画館には勝てませんが、場所からもらえるエネルギーといいますか、体験のおもしろさがあると思います。写真は宣伝用に作ったイメージ写真。
ちょうど今、桜坂劇場で上映中の『玲玲の電影日記』の中でも野外上映のシーンがありますが、あんな良い感じになると素敵なのですが。当日はパイプイスと、ブルーシートという感じになりますが、夏の夜の上映会を楽しんでいただけるとうれしいです。
2006年08月07日
子供向けのアニメ講座
長いことブログを書いていなかったんで書かなきゃいけないことが盛りだくさんである。中でも印象的だったのは、子供向けワークショップでアニメの講師をしたことだった。昨年やったときは一日で何もかもやるのが大変だったんですが、今年は三日間で時間をかけて充実していました。内容は初日は子供たち自身をコマ撮りで撮影。まさに体で動きを撮影するということを体感させる。子供たちも自分が映っているので、楽しそうだった。残りの二日間は自宅からお気に入りの玩具を持ってきてもらい、それをコマ撮り。もちろん玩具どうしでその場でお話を作って短いアニメを作るのだ。最初はいろいろアドバイスをしていたんだけど、だんだん暴走にも近い物語を作り始める様は頼もしいにもほどがある。残念ながら時間も足りないので、ややスケールダウンしてもらわねばならないほど。素晴らしかったのは、初日はでたらめな動きでアニメの理屈をまるで理解できてなかった子供たちが「こうやらないと動いて見えない!」とか言って、アニメの作り方を身に付けてくれたこと。でき上がった作品もなかなか楽しく。子供たちも満足げに帰ってくれたこと。夏休みといわず毎月やりたいプログラムでした。
2006年07月08日
『柔道龍虎房』に秒殺された私
ガツンと一撃を喰らった!それが『柔道龍虎房』の感想。まず最初に誤解のないように言っておくと、これはアクション映画ではない。良質の、きわめて良質の青春映画である。しかも青臭い青春映画ではなく、もはや青春なんて恥ずかしくて口にも出せないような、言ってしまえば、とうに青春を卒業していなければならない男と女の青春映画である。誰もが何かを引きずって、常にギラギラする瞬間を求めながらも、グダグダと日々を過ごしている。そんな人間たちが出会い、合流することで、少しずつ光が差してくる。それが本当にキラキラと輝いてたまらない。映画を観ながら何度も笑いの一本背負いに投げ飛ばされ、切なさの寝技に翻弄され、感動の有効を決めまくられる。観て損はないというより、観て欲しい作品なのである。今や香港映画を代表する監督ジョニー・トー。『柔道龍虎房』の脚本は本当に巧い。テンポが良くて感動もあるが、馬鹿馬鹿しいくらいの"けれん味"も忘れちゃいない。ハートをギューッっと捕まれるようなシーンも、無駄なセリフがいっさいない。主人公たちの動きで、感動がスーッとしみ込んでくるようにできている。観てるこっちまで、登場人物と心が通いあうような瞬間が、そこかしこにある。これが映画の魅力ってやつだよね。
愚痴ではないですが、当劇場のプログラム・ディレクターの僕でさえ、香港映画が当たるなんて思っちゃいない。ジョニー・トー監督がすごいと言っても、一部のマニア受けしかしない監督と思われるのがオチだろう。それでも彼の作品は、沖縄で上映するに値する作品だと思う。実は桜坂ではこれまで『PTU』『マッスル・モンク』『ブレーキング・ニュース』『イエスタデイ、ワンスモア』に『柔道龍虎房』と、ジョニー・トー作品を通算5本も上映している。いや、冗談抜きでおもしろくて、娯楽性があって、巧い監督なのである。一週間しかやらないけれど、今からでも遅くはない。この傑作を見逃してはいけない。


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