2006年12月17日
フランスに行ってきました 02
夕方アングレームに到着。ここは歴史のある古い街。丘の上に旧市街があり、下の方に行くほど新しい街。下から旧市街を見上げると、『ロード・オブ・ザ・リング』に出た城壁都市といったおもむきがある。道も迷路のように入り組んでいて、外からの攻撃を惑わせる作りになっているようだ。この日は旧市街のホテルに変更。これがまた『シャイニング』の双子の幽霊が出てきそうな廊下のホテルで、ボロさと風格が渾然一体となっている素敵なホテルでした。
"作家の家"は、アングレームの街並に溶け込むように、というかもともと建っている建築物を利用した施設。小さな看板を見逃すと気がつかない。ここは日本的に言うと、昨今流行のシェア・オフィスのような感じで、テーブルごと、ブースごとに個人が借りて使用している。ただし、申し込めば誰でも使えるわけではなく、企画を申請して、それが通った人に無償で場所と機材を化し出す。だから金はないが企画を実現したいと考える若者たちの作業場にはもってこい。借りたアパートのように好きな事をするために借りるわけではないのがミソ。つまり、ここは個人が作業場として使うと言うよりも、ある企画のために利用する場所なのだ。
作業テーブル、ライトテーブル、パソコンなど、コミックやアニメーションに必要最低限のスペースと機材がおかれた整然として、ゆったりとした環境が用意されている。外国の建物は天井が高いので、床面積が狭くてもゆったり感じるのだ。若い作家たちは、ここで意見交換などもしながら、ゆったりと作品を作り続けている。県内にもインキュベート施設は数々あるが、仕事用の貸し出しスペースと、不特定多数の人が使うコンピュータ室のような教室しかみたことがないのだが、何か企画の募集みたいな形で作品プロデュースをしていったらおもしろいと思うのだが。
ここの使用期間は、3ヶ月から、最大4年使った人もいる。もちろん長期の企画は、途中で進行状態をチェックしていく審査も用意している。単純に施設を貸すだけではなく、着実に作品を生み出し続けるシステムができ上がっている。仕事場を探している若者には非常にありがたい施設だし、施設としても結果を出し続ける事ができる。
作家の家から歩いて数分のところに、これまた古い建築物を利用したバンド・デシネ博物館がある。古い建築とは言え、外装をガラス張りの近代的な建築で覆っていて非常にユニーク。バンド・デシネとはフランス風コミックのことだ。ざっと観た感じ、アメコミよりも大人向け。本もガッチリとした製本で値段も高い。大人の買う絵本というイメージがある。この博物館は、展示を中心に図書館と本屋、イベント的なギャラリーがある。展示はバンド・デ・シネの歴史。吹き出しのバリエーションらしく、ガラスケースに切り抜いた吹き出しが並べられているなど洒落っ気もあってけっこう楽しい。
壁などもコミックの書き割り風に作っていて、ユニークだ。図書館には日本のMANGAもフランス語版が多数おいてあった。書店コーナーで2冊ほど気になる本を購入。3,000円くらいでけっこう値がはる。中央集権国家のフランスでは、地方で出版産業が盛り上がる事はなさそうであるが、この町はある種、コミックの殿堂として風格を保っているように思えた。この記事へのトラックバックURL
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