2008年08月16日

『歩いても 歩いても』手描き看板

お盆で忙しい(劇場は暇)なこともあり、届いていた『歩いても 歩いても』の看板を掲げました。映画は9月6日より。看板といっても桜坂劇場の場合は布に描かれたものですが。月に一回くらいはいまだに手描き看板を作っています。やっぱ映画館といえばこれだよね。って思う人は減ったんでしょうね。手描き看板というのは、遠めに観るものですから、まあ微妙に似てなくてもしょうがないもの。毎回このズレ具合が楽しみでもあります。今回も樹木希林さんが、顔のしわが取れて若返っています。他にもいろいろ見比べて楽しいものがあります。
『歩いても 歩いても』は9月上映作品の目玉。現在、桜坂劇場では『ぐるりのこと。』が絶賛上映中ですが、もはや次の準備です。どの作品もお見逃しないように、お願いいたします。

  

Posted by 真喜屋 at 10:46Comments(0)TrackBack(0)日記

2008年08月14日

特集上映を考えるラボ:チョン・ドヨンと市川崑

『特集上映を考えるラボ』。9月末に上映する『シークレット・サンシャイン』。その流れで主演女優のチョン・ドヨンにスポットを当てたミニ特集の企画。とは言ってもモーニングに昨年の話題作『ユア・マイ・サンシャイン』をつけたかわいらしい企画です。でも韓国人のスターというのは、やはりファンの人には響くけど、それ以外の人に伝わりにくいってことになり、先週の宿題で壁新聞をつくるようにとお達しを出していた。受講者のZさんは自らドヨニストと語るほど、チョン・ドヨンが好きらしい。気合いのこもったチョン・ドヨン新聞を3パターンも作ってきてくれた。好きなひとの推薦文ほど心が動かされるものはないと感心する。あれこれ添削して来週貼り出しましょうということに。

またもう一人の受講生Aさんから『市川崑特集』の企画もあがる。市川崑といってもいろいろあるんですが、今回は洒落たミステリーが中心になっていた。考えてそうしたというよりは、気になるものを集めたらそうなったという感じらし。でも統一感があるので特集としては良い感じのくくりだと思う。前向きに検討。来週、さらなるブラッシュアップされたプレゼンを期待。  

Posted by 真喜屋 at 22:19Comments(0)TrackBack(0)ワークショップ

2008年08月11日

『女工哀歌』と『おいしいコーヒーの真実』

日曜日なので、床屋に行って髪を切り、少し遅めの出社。朝方の雨のせいか、桜坂一帯が停電になっていたそうだ。対したトラブルもなく、復旧したようで桜坂市民大学の担当に、スチール撮影で借り出される。どんな写真かは、次期の市民大学の募集をお楽しみに。ともかく昼過ぎから夜まで歩き回る。

家に帰ってからサンプルDVDで『女工哀歌(エレジー)』を観る。中国のジーンズ工場の少女たちの労働の実態を描いたドキュメンタリー。主人公のジャスミンは、田舎から出稼ぎに来た17歳の少女。彼女が工場で知りあった親友は14歳。働いて2年になるという。つまり12歳から働いている。給料は安く、労働時間はとんでもなく長い。日々残業で眠る時間もないのに、居眠りをすると罰金となる。なのに給料も遅れがち。こうやって僕らが履いているジーンズは作られているのかとつらくなる。14歳の少女が先陣を切ってストライキをする姿には正直、切ないものがある。労働者を信用しない経営者が、とんでもなく悪人にも見えるが、必ずしもそういうわけではない。きわめてまともな常識人であり、会社存続のために、鬼にならざる得ないのもよくわかる。

ジーンズの工場と言うことからしてもわかるように、顧客は海外の企業。こういった海外の企業は顧客へのイメージを悪くしたくないので、工場に調査団を派遣して、労働実態を調査している。でも工場側には事前に告知していくため、工場側は質問された場合の答え方を工員達に指導する。まずいものは隠してしまう。調査団は《問題なし》という答えを持って帰国していく、つまりデキレースがそこにはある。海外の小売業者はジーンズの販売価格を抑えつつ、顧客にはいい顔をしたいのである。そして顧客が欲しいのは、真実から来る罪悪感ではなく、少しでも安いジーンズというわけだ。グローバリズムの流れの中で、僕らは加害者とまでは言わなくても、その共犯者であることはまちがいないだろう。正直、中国は物価が安いから人件費も安いのだと思い込んでいる人は多いんじゃないだろうか。でもこの映画の主人公の女の子たちは、前向きである。いったいこんな大きなサイズのジーンズをどんな人が履くのか?夢想し、働かなくても良い同世代の子供たちに「運が良かったね」と言葉を漏らす。運命を受入れる十代の少女たちの姿に心打たれます。桜坂劇場でもいずれ上映するので、できれば中高生の子供たちの集団鑑賞なんて企画したいなあ。ジャスミンのメッセージを伝えたいです。

8/31(日)、9/1(月)に、那覇市ぶんかテンブス館で上映する『おいしいコーヒーの真実』というドキュメンタリーでも、同種の内容を扱っている。こちらはコーヒーの生産国で、労働者がいかに低賃金で搾取されているかが見て取れる。タイトルを『おいしくて安いコーヒーの作り方』と変えたほうが良いのではないかという内容で、コーヒー党の僕には耳が痛い話でもある。東京でも大ヒット上映中のようだ。配給会社のアップリンク担当者が言うには「みんなスターバックスでテイクアウトしたコーヒーを買ってくる」そうです。

31日には、NPOの人々も集まって、トークショーも開催する。あなたの知らない耳の痛い話を是非聞きにきていただきたい。まず知ることから始めよう。  

Posted by 真喜屋 at 10:50Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年08月10日

お盆近し『881 歌え!パパイヤ』は16日から

ある意味どうでも良い小品だが、かわいくてしょうがない映画というのがあったりする。『881 歌え!パパイヤ』はそういう映画の典型みたいな作品である。観たからといって人生は変わらないが、生きることの豊かさを確認できる映画とでも言おうか。


以前、台湾で半年間仕事をしていたので、中華圏の映画を観ると生々しい実感が湧いて、思い入れが強くなってしまう。特に中国本土よりも、『歌え!パパイヤ』のように中国から離れた華僑文化ならことさらバイタリティを感じて惹かれてしまいます。

中華圏文化のバイタリティは、温故知新にある。伝統が強烈に残っていて、それを消さずに新しいものを吸収していく姿勢とでもいうのか。初めて台湾でお祭りに行ったとき、神棚の照明にネオン管を使ったり、京劇風のメイクと衣装で練り歩く人が、蛍光色の隈取りをしていたりと、伝統的な場面で新しい物を取り込んでいるところに感動した。伝統的な形を変えると言うのは、精神的な部分で揺らぎがないとできないもんである。まるで新しい物でも何でも、キレイでハデなものを取り込めば、神様やご先祖が喜ぶと思っているかのように。沖縄の琉球民謡というのが、古典だけに終わらないのといっしょで、彼らの信仰心は今と言う空気を吸い込みながら、現在進行形で動き続けている実感がある。『881 歌え!パパイヤ』は、まさにそういう映画である。軽いノリでも、微動だにぶれない精神文化から生れた娯楽作なのだ。

まずゲータイという歌謡ショーの存在。旧暦の7月は中華圏では《鬼の月》と呼んでいる。中華圏の鬼とは、大ざっぱに言うと幽霊のことで、日本のそれとは少し違う。つまりあの世とこの世が混ざりあう月だ。日本のお盆といっしょ。ゲータイはこの一ヶ月間、シンガポールのあちこちで開催される歌謡ショーで、あの世の人を迎えるもの。沖縄で言えばエイサーみたいなものだろう。

しかし、こんな楽しいショーが、あの世の人のためだけですむはずもなく、この世の人が思いっきり楽しめる夏の風物詩にもなっている。紅白の小林幸子のようなド派手な衣装が目にも楽しい。観ようによっては本来の意味を置き去りにして突っ走って楽しんでいるようでもあり、そういう側面もあるかも知れない。でも本質が消えていないのは、映画をラストまで観ればわかる。そこには普遍的で連綿とつづく人生の喜怒哀楽がしっかりと込められている。ポップだとか、ガーリームービーとか、今どきの洒落た言葉で若者をターゲットにはしたくない、誰もが楽しめる娯楽作なのである。旧盆という伝統を持つ沖縄ならなおのことである。

この映画を観て、家に帰って号泣したというコメントがあったが、その気持ちがよくわかる。映画の中で歌われる歌詞も、とことん悲しいのに、音楽はにぎやかでそのギャップも時限爆弾の用にあとから響いてくる。歌詞の内容は映画の字幕で確かめてください。  

Posted by 真喜屋 at 13:00Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年08月10日

こども映画撮影隊上映会は8/17(日)

前に子供向けのワークショップのシンポジウムに招待されて話をしたことがある。桜坂劇場以外にもいくつか発表があったが、金沢の子供向けワークショップの講師は、桜坂の代表でもある中江監督ということで、期せずして2本の実例が桜坂絡みだったということになる。僕が出した実例は昨年作った人形アニメ。金沢の作品はドキュメンタリー。子どもたちが金沢の美術館に集まったカップルに「愛について」質問していくというミスマッチが笑える傑作だった。それ以外は中学生くらいの子どもたちを、映画学校の先生達が指導して作った映画っぽい作品。脚本から全て子どもたちが作ったということですが、なかなか良くできていました。

で、今年の夏休みは桜坂劇場でも『子ども映画撮影隊』と称して、小学生対象のワークショップをおこなった。アニメはお休み。集まったのは5年生が一人であとは2~3年生という感じ。映画制作というとチームワークがけっこう大事なので、実際中学生くらいじゃないと難しい。男の子6人が集まると意味なく大騒ぎになってしまう。スタッフがある程度いればもちっと目が行き届くのだが、僕一人でやっているとそうもいかない。自主的に子どもたちに映画を作らせるというのはかなり難しいので、僕が実質の監督をして、要所要所に彼らのアイディアを引き出して盛り込むという形でいくことにした。

正直、初めての映画の現場で、自分たちが何をやっているのかわからないまま動いている子もいると思う。だから毎回撮影した分を、次の撮影日までに粗編集して見せるようにした。本当は編集も見せたかったが、時間がかかるわりに地味なので、最初に1分のパイロット版を作って編集するところを見せるだけにした。それでもバラバラに撮った映像が一つの意味を持って流れると「おぉぉー!」と感動の声。意外にうまくいくかと思ったが甘かった。

無茶な思いつきを出し合う脚本会議を経て、2回目からは外で集合。撮影前にパソコンで前回の映像を確認。すぐに撮影というスピーディーな流れ。1日1時間程度の撮影で3回のロケ。とにかく飽きっぽい子供たちの集中力と、沖縄の炎天下での撮影なれば、それくらいがちょうど良い感じ。で、どうにか映画は撮り終わり編集も終了。あとはみんなで効果音をつけるだけだ。

彼らの自主性も大事だが、相手が小学生では、こっちでリードして成功体験を積んでもらうという方法論で今回は進行。毎回低予算特殊効果を入れ込んでいるので、粗編集の映像を楽しみにしている。特撮も後処理は味付けで、現場対応のわかりやすい物を要所要所に入れた。機材の良し悪しでなく、アイディアで乗り切っていくおもしろさが伝わればいいなと思う。これは別の場面でやっている『フライング・ムービー』という企画にも繋がるけど、プロの様なクオリティをめざしたコピー作品よりも、下手でも良いからプロよりおもしろいものを作る精神みたいな、つまり若気の至りを見せつけてくれる作品作りをめざした。完成品はけっこういけていると思う。ちなみに写真は映画のワンシーンです。『ロード・オブ・ザ・リングス』なみの技術で撮った特撮シーン。

タイトルは『宇宙人をやっつけろ! GO GO GOYA!の巻』。なんと8月17日(日)に12:00から、桜坂劇場の300人収容のホールにて上映予定。入場無料です。

  

Posted by 真喜屋 at 11:57Comments(0)TrackBack(0)映画紹介