2008年01月30日
『鉄の子カナヒル』ワークショップ付き上映か?
打合せの多い日、2月29日に桜坂劇場で開催される町おこしについてのシンポジウムに、僕もパネラーとして登壇することになり、その打合せ。なにかキーワードなどを聞かれるが、思いつかないので保留。
その後、比嘉ブラザースと打合せ。もちろん双子の人形アニメーター。『鉄の子カナヒル』(儀間比呂氏原作)の監督たちだ。実は今度、彼らの作品上映と人形アニメ・ワークショップをセットにした上映会を企画している。その内容に関しての打合せである。映画を上映して、そのあと舞台上で子供たちとアニメーションの実演をする。絶対おもしろい企画になると思います。お楽しみに。
その後、比嘉ブラザースと打合せ。もちろん双子の人形アニメーター。『鉄の子カナヒル』(儀間比呂氏原作)の監督たちだ。実は今度、彼らの作品上映と人形アニメ・ワークショップをセットにした上映会を企画している。その内容に関しての打合せである。映画を上映して、そのあと舞台上で子供たちとアニメーションの実演をする。絶対おもしろい企画になると思います。お楽しみに。 2008年01月29日
『サルサとチャンプルー』波田野監督来沖
『サルサとチャンプルー』の波田野監督が来沖。映画がスタートする2/9は大学が忙しいということで前倒しでプロモーションにきてくれたのだ。『サルサとチャンプルー』はキューバに移民した日系人の物語だが、沖縄からの人々が軸になって描かれている。そんなわけで沖縄が先行スタート。東京ではアップリンクで上映です。波田野さんは日大で多くの映画人を育ててきて、もう70歳くらいの年齢。いかにも大学教授という風貌からはそうぞうできないバイクマニアでもある。聞けば60を過ぎてからユーラシア大陸の横断をしたそうだ。そんな波田野さんがキューバで見た移民達の歴史。ぜひ劇場でごらんください。
タグ :サルサとチャンプルー波多野哲朗
2008年01月25日
桜坂シネマ倶楽部
今日も桜坂市民大学の研究ラボ。桜坂シネマ倶楽部の日です。桜坂劇場をはじめ様々な映画ファンに映画についてもっと掘り下げてもらおうというラボ。映画は観たまんまの感想というのも楽しいが、そこから広がる興味や、知っているともっと映画の内容がわかる文化的背景など、いろいろな情報がある。それを調べて映画にもっと親しんでもらう。
『いのちの食べかた』からレイチェル・カーソンの『沈黙の春』について調べた人もいれば、『カンナさん大成功です!』から韓国の整形事情を調べた人もいた。なかでも笑ったのは『リバティーン』から、なぜ当時の女性の服の胸ぐりがあんなにあいているのか気になって調べたという人がこと。「とうじのファッションの中心はスペインで〜」という説明から始まり、「当時の日本は江戸時代でちょんまげでした」と広がっていく。どうでも良いことかもしれないが、視点がひろがっておもしろい。場所もスタジオではなくCha-gwaでコーヒーを飲みながらというのも良かったのか。
ただし、楽しんでばかりもいられない。研究ラボの目的は自分たちが楽しむためだけではない。この成果をどうやって世間に出していくかが問題。その点を全員に口が酸っぱく念押し。次週の分からは劇場内で閲覧可能な状態を作ります。お楽しみに。そう研究とは不特定多数の幸せのためにやるもので、自己満足のものではないのだ。そこがきっと劇場という場所としっくりあっている部分だと思う。
『いのちの食べかた』からレイチェル・カーソンの『沈黙の春』について調べた人もいれば、『カンナさん大成功です!』から韓国の整形事情を調べた人もいた。なかでも笑ったのは『リバティーン』から、なぜ当時の女性の服の胸ぐりがあんなにあいているのか気になって調べたという人がこと。「とうじのファッションの中心はスペインで〜」という説明から始まり、「当時の日本は江戸時代でちょんまげでした」と広がっていく。どうでも良いことかもしれないが、視点がひろがっておもしろい。場所もスタジオではなくCha-gwaでコーヒーを飲みながらというのも良かったのか。
ただし、楽しんでばかりもいられない。研究ラボの目的は自分たちが楽しむためだけではない。この成果をどうやって世間に出していくかが問題。その点を全員に口が酸っぱく念押し。次週の分からは劇場内で閲覧可能な状態を作ります。お楽しみに。そう研究とは不特定多数の幸せのためにやるもので、自己満足のものではないのだ。そこがきっと劇場という場所としっくりあっている部分だと思う。
タグ :桜坂市民大学
2008年01月23日
二ヶ所のワークショップと試写
日本アルティスタ・アカデミー沖縄本校は俳優の穂積隆信さんが校長をつとめる俳優養成の学校。縁あって僕も映像演技の講師をしている。単純に演技だけ勉強しても、映像作品と舞台の演技は違っていて、その差を実感させ、どうやれば効果的かというのを教える授業だ。と言ってもカメラテストみたいなことを教室でやるのもつまらないので、毎週ショートドラマを撮影している。撮影中や、完成後の映像を見ながら、メディアによる方法論の違いを実感してもらっている。
《右の写真はドラマの一コマです。→》
ショートドラマといってもちゃんとした台本を考えてくるわけではない。その日、教室に来た生徒達と、カメラを持って外に出て、ピピッ!ときた場所で、即興でドラマを撮影していく。個人的に映画大喜利とよんでいる。僕がシチュエーションを決めて役をふる。若い生徒達はそこから芝居を作っていくので、センスが要求されるが、まずなによりも照れずに自分の演技をするというのがいい勉強になっているんじゃないだろうか。企画から撮影に要する時間は正味一時間。テーマは《愛と笑い》。一応は連続ドラマになっているのだが、どこに行くかわからないスリリングな作品になっている。
で、コザの講義を終えて高速を飛ばして桜坂劇場に戻ると、今度は桜坂劇場の桜坂市民大学。水曜日は新垣善弘さんの『映画制作講座実践編』。僕は制作担当。今回は新人が多いのですが、助っ人でOBも参加して賑わってきた。今期の講座からは脚本講座との連携もある。授業は新垣先生の撮影技術の講義のあと、今期に撮影する映画の会議。脚本の作りかたに試行錯誤して盛り上がる。講義のしめに、ついさっきコザで撮影した作品を見せて終了。
で、この日は『風の外側』と『いのちの食べかた』の業務試写もあって、マスコミの方も観にきていた。特に『いのちの食べかた』は衝撃的だったようである。多分、この作品の投げ掛けるテーマも、その答えも、観客自身が考えるタイプなのだ。ヒットの予感。
《右の写真はドラマの一コマです。→》ショートドラマといってもちゃんとした台本を考えてくるわけではない。その日、教室に来た生徒達と、カメラを持って外に出て、ピピッ!ときた場所で、即興でドラマを撮影していく。個人的に映画大喜利とよんでいる。僕がシチュエーションを決めて役をふる。若い生徒達はそこから芝居を作っていくので、センスが要求されるが、まずなによりも照れずに自分の演技をするというのがいい勉強になっているんじゃないだろうか。企画から撮影に要する時間は正味一時間。テーマは《愛と笑い》。一応は連続ドラマになっているのだが、どこに行くかわからないスリリングな作品になっている。
で、コザの講義を終えて高速を飛ばして桜坂劇場に戻ると、今度は桜坂劇場の桜坂市民大学。水曜日は新垣善弘さんの『映画制作講座実践編』。僕は制作担当。今回は新人が多いのですが、助っ人でOBも参加して賑わってきた。今期の講座からは脚本講座との連携もある。授業は新垣先生の撮影技術の講義のあと、今期に撮影する映画の会議。脚本の作りかたに試行錯誤して盛り上がる。講義のしめに、ついさっきコザで撮影した作品を見せて終了。
で、この日は『風の外側』と『いのちの食べかた』の業務試写もあって、マスコミの方も観にきていた。特に『いのちの食べかた』は衝撃的だったようである。多分、この作品の投げ掛けるテーマも、その答えも、観客自身が考えるタイプなのだ。ヒットの予感。
2008年01月19日
若松孝二監督に電話
ようやく3月の上映作品が固まりました。3月の公開本数31本。一日一本の計算です。遅れ気味のFunCの制作にマキがはいっています。くわばらくわばら…。
そして同時に四月のプログラムも準備中。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の段取りで若松プロに電話。若松孝二監督が直接配給もしている。海外でも高く評価される大監督ですが、いまだ第一線で活躍しているところがすごいです。少々強面ですが、話すとお茶目な印象もある人。ということで、監督と沖縄でのゲストトークのことも相談。初日かもしくは一週間前のプレミア上映みたいな展開を画策中です。
『実録・連合赤軍〜』という映画は、日本映画界がずっと描こうとして描けなかったいわく付きのテーマ。近年になって何本か作られてきましたが、その大本命とも言うべき作品が今回の作品。桜坂劇場では、沖縄復帰記念日の一月前からしっかり上映したいと思います。団塊の世代はもちろん、若者たちにもあの時代の同世代の人々の生き方を見て欲しいと思います。
さて今日から『長江哀歌』『雲南の少女 ルオマの初恋』の中国映画2本がスタート。劇場で見た後に、レポートも書きたいと思います。
そして同時に四月のプログラムも準備中。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の段取りで若松プロに電話。若松孝二監督が直接配給もしている。海外でも高く評価される大監督ですが、いまだ第一線で活躍しているところがすごいです。少々強面ですが、話すとお茶目な印象もある人。ということで、監督と沖縄でのゲストトークのことも相談。初日かもしくは一週間前のプレミア上映みたいな展開を画策中です。『実録・連合赤軍〜』という映画は、日本映画界がずっと描こうとして描けなかったいわく付きのテーマ。近年になって何本か作られてきましたが、その大本命とも言うべき作品が今回の作品。桜坂劇場では、沖縄復帰記念日の一月前からしっかり上映したいと思います。団塊の世代はもちろん、若者たちにもあの時代の同世代の人々の生き方を見て欲しいと思います。
さて今日から『長江哀歌』『雲南の少女 ルオマの初恋』の中国映画2本がスタート。劇場で見た後に、レポートも書きたいと思います。
2008年01月17日
研究ラボは、桜坂市民大学の新機軸!
月曜からスタートした桜坂市民大学。今までやってきた桜坂劇場ワークショップの拡大版で、講座数も倍以上ある。中でも僕が個人的にやりたかった企画が、研究ラボというカテゴリー。研究ラボに講師はいない。テーマを掲げて参加者を募り、そのテーマにそって期間内で結果を出し、成果報告をする。大学のゼミや研究室のようなものといえばいいだろうか。テーマに沿って習いたいことがあれば、参加者自身が探して習いに行けばよい。桜坂劇場の仕事は進行管理。なにかが動き出すきっかけを作ることが最大の目的。クリエイティブの可能性を広げる企画になると考えています。
水曜日の『県産品プロデュース』の研究ラボの参加者は四名だった。ただし一人は休み。ラボの説明をおこない、方向性を理解してもらう。その後、みんなでフリートーク。県産品の定義とは?自分が思い描く県産品、そのアイディア。とりとめもない話が一段落したところで、次回までにできるだけ多くの思いつきを簡単な企画書に落とし込んでプレゼン大会をおこなうことにする。企画書の形は特に指定しない。大事なのは自分の思いつきを形に落とし込むこと。そしてそれを説明することだ。そうすることで、アイディアが転がり出すし、転がらないアイディアは捨てて身軽になればよい。何を目標にするかは、三~四回目までには決めることにした。大量の企画書を書くのも一つのゴールだし、何かの製品を作り出すことも可能性としてはあるはず。初回の受講の時間が終わっても、メンバーは全員、劇場のカフェで長々と話し込んでいた。始めて会った人たちが、目的を持って話し込んでいるのが、何だか頼もしい。
県産品というキーワードが持つ、様々な意味合いもまた、世に問うてみるとおもしろいだろう。単なる商業製品の開発にとどまらず、沖縄のアイデンティティに抵触するきわどさがあるから。
もう一つは木曜日の『特集上映を考える』というテーマの研究ラボ。桜坂劇場でかける特集映画を提案するラボだ。ものすごく映画に詳しい人もいれば、何も知らない人もいる。これは僕自身も勉強になれば良いなと思っているラボ。これも宿題を出して、本格始動は次回からという感じです。
水曜日の『県産品プロデュース』の研究ラボの参加者は四名だった。ただし一人は休み。ラボの説明をおこない、方向性を理解してもらう。その後、みんなでフリートーク。県産品の定義とは?自分が思い描く県産品、そのアイディア。とりとめもない話が一段落したところで、次回までにできるだけ多くの思いつきを簡単な企画書に落とし込んでプレゼン大会をおこなうことにする。企画書の形は特に指定しない。大事なのは自分の思いつきを形に落とし込むこと。そしてそれを説明することだ。そうすることで、アイディアが転がり出すし、転がらないアイディアは捨てて身軽になればよい。何を目標にするかは、三~四回目までには決めることにした。大量の企画書を書くのも一つのゴールだし、何かの製品を作り出すことも可能性としてはあるはず。初回の受講の時間が終わっても、メンバーは全員、劇場のカフェで長々と話し込んでいた。始めて会った人たちが、目的を持って話し込んでいるのが、何だか頼もしい。
県産品というキーワードが持つ、様々な意味合いもまた、世に問うてみるとおもしろいだろう。単なる商業製品の開発にとどまらず、沖縄のアイデンティティに抵触するきわどさがあるから。
もう一つは木曜日の『特集上映を考える』というテーマの研究ラボ。桜坂劇場でかける特集映画を提案するラボだ。ものすごく映画に詳しい人もいれば、何も知らない人もいる。これは僕自身も勉強になれば良いなと思っているラボ。これも宿題を出して、本格始動は次回からという感じです。
2008年01月14日
シュワンクマイエル上映と夜食のうどん
桜坂スタジオにて本日『シュワンクマイエルの世界』の上映会をおこないました。桜坂スタジオはワークショップなどにも使っているフリースペース。そこにビデオ・プロジェクターや野外上映にもつかうスピーカーセットを持ち込み、昔懐かしい上映会スタイル。映画館のゆったりしたシートではなく、パイプ椅子での鑑賞は、お客さんにはつらいものもあったと思いますが、なかなか公開されない、レンタル店にもビデオがない、DVDを買うには割高だ。そんな三重苦な状況のアートフィルムを紹介するのに、こういう方法もあるのではないかと思います。東京ならアップリンクみたいな…あそこはもっとおしゃれだけど。
で、実際にフタを開けてみると、総数で言うとそれほどでもないですが、それなりに小さなスペースが埋まるくらいのお客さんがきてくれました。ゲストの比嘉ブラザーズもほっと一息。終わった後の反応は様々ではありますが、ほとんどのお客さんも楽しんでくれたようで、「またやってください」というお言葉も多くいただき、はげみになりました。上映だけでなく、トークライブ、トークセッションみたいな交流の場に育つと言い企画だなと思います。
で、今日は日曜日で連休の間。『厨房で逢いましょう』『二十四の瞳』『キャプテン』とそこそこにお客様も入って、劇場的には老若男女入り乱れるにぎわいでした。夜まで仕事していると、Cha-gwaから、古くなったうどんをいただく。出し汁がないので、帰りしなに椎茸とネギを購入。昆布とカツオと椎茸をぶち込んで自前の出し汁。薄味ながら美味。あっさりメニューは久しぶりで、胃袋が落ち着く。
2008年01月13日
『長江哀歌』がキネマ旬報のベスト1
来週、公開される『長江哀歌』がキネマ旬報社の2007年外国映画ベスト10の1位に輝きました。一見地味な作品だけに確かな評価がついてくれると劇場としては嬉しい限り。少なくともこの映画を年間の一位と言いきるくらい好きになった人が、確実に入るということです。観ようかどうか迷っている方は、どうぞ参考にしてください。
ちなみに6位の『やわらかい手』も、3月公開の予定です。こちらもダントツにおもしろい映画ですので、多くの観客のおこしをきたいしています。邦画では2月上映予定の『天然コケッコー』が2位に入っています。また桜坂劇場でもヒットした『ひめゆり』が文化映画の中で1位という快挙。おめでとうございます。ざっと全体を眺めてみると、特に邦画部門の作品に桜坂劇場でかかった作品が多いですね。つまり大宣伝をしないけど、きちんと評価される作品が、いっぱいあるということ。このブログに来る桜坂劇場を知っている人なら、一度は聞き覚えもあると思いますが、多分名前を聞いたことがないという人が、世の中的には多いんでしょうね。いつも話題になることですが、大規模な予算と宣伝費を使える映画と、そうでない映画の格差がハッキリしているなあと、実感するしだい。これからも小規模、中規模な秀作は公開できる、目利きをしていきたいと思います。もちろん、ドカンともうかる話題作も数多く上映できるようにしていきたいですが。
今日も会議で多様性の維持、拡大を言われていたんですけどね。まだまだ足りない感じです。
▼キネマ旬報のベスト10(赤文字は桜坂劇場公開作)
【2007年 日本映画ベスト・テン】
1位 『それでもボクはやってない』
2位 『天然コケッコー』
3位 『しゃべれども しゃべれども』
4位 『サッド ヴァケイション』
5位 『河童のクゥと夏休み』
6位 『サイドカーに犬』
7位 『松ヶ根乱射事件』
8位 『魂萌え!』
9位 『夕凪の街 桜の国』
10位 『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』
次点 『愛の予感』
【2007年 外国映画ベスト・テン】
1位 『長江哀歌(エレジー)』
2位 『善き人のためのソナタ』
3位 『今宵、フィッツジェラルド劇場で』
4位 『クィーン』
5位 『バベル』
6位 『やわらかい手』
7位 『ドリームガールズ』
8位 『ボルベール<帰郷>』
9位 『ゾディアック』
10位 『パンズ・ラビリンス』
次点 『デス・プルーフinグラインドハウス』
【2007年 文化映画ベスト・テン】
1位 『ひめゆり』
2位 『やーさん ひーさん しからーさん ―集団疎開学童の証言―』
3位 『未来世紀ニシナリ』
4位 『いのち耕す人々』
5位 『終りよければすべてよし』
5位 『出草之歌 台湾原住民の吶喊 背山一戦』
7位 『有明海に生きて 100人に聞く、海と漁と歴史の証言』
7位 『カフカ 田舎医者』
9位 『花の夢 ―ある中国残留婦人―』
10位 『靖国』
2008年01月11日
『Born Into Brothels』日本公開です!
映画館に来る年賀状といえば、まずは今年のラインナップが並んだ配給会社からのお手紙。今年を占うつもりで、ざっと目を通す。その中に『Born Into Brothels』という作品を見つける。2年前のアカデミー賞で最優秀ドキュメンタリー賞に選ばれた、インドの売春窟で生活する子供たちのドキュメンタリーだ。確か桜坂劇場の掲示板にもリクエストとして名が上がったことがあったはず。僕の方も、映画評論家の町山智浩さんのBlogでその存在を知って以来だから、もう2年近く日本の配給がつくのを首を長くして待っていた作品。新年早々めでたいですね。ちなみに町山さんにはかつて『ホテル・ルワンダ』のことも、日本での配給が決まる前に教えてもらったこともあります。貴重な情報源となっている感じ。
そんなわけで配給元に電話をして、沖縄公開の名乗りを上げ、資料など送っていただくことになりました。ちなみに日本公開は晩秋くらいだそうです。ということは沖縄での公開は来年が明けてからって感じでしょうか。新年早々、来年の話というのもなんですが、今年一年の楽しみがまた一つ増えました。
2008年01月07日
『シュワンクマイエルの不思議な世界』のスタジオ上映
今日は朝からスタジオの工事。ワークショップの拡大に伴い、今まで教室に使っていた桜坂スタジオを2分割しているのだ。とは言っても、桜坂劇場の中にこんなスペースがあることを知っている人は、ワークショップで訪れた人だけですね。実はこういうフリーなスペースがあるんです。
ここで1/13(日)ビデオ上映会をおこないます。作品は『シュワンクマイエルの不思議な世界』。小規模ながら、実験的な作品やマイナーな作品を上映するたの機会を作ってみたいということで開催です。料金は劇場上映ではないので800円とリーズナブル。高校生は500円です。
一回目の上映が終了したところで、ハリウッド帰りの双子の兄弟《比嘉ブラザーズ》に登場していただき、人形アニメーションの魅力と作品解説をしてもらおうと思います。
チェコを代表するアニメ作家というより、シュールレアリストの作家、シュバンクマイエルの奇妙な世界をごらんになるチャンスです。
余談ですが、今回高校生料金を500円に設定したのは、僕ら始め、比嘉ブラザースも、映像の魅力にとりつかれ他のがその年齢のころだったということがあります。あの頃は今以上に沖縄では映画を観る機会もなく、情報も限られていました。もっと若い人に情報を届けたいというのは、やっぱ考えてしまいますね。
も一つ余談ですが、今日は沖縄タイムスと、琉球新報の金曜夕刊の映画欄の記事を書きました。『厨房で逢いましょう』です。こちらは大人が楽しめる恋愛ドラマ。すんごく良いですよ。 2008年01月06日
《シネマ手帖増刊号》配布開始!次の展開は?
12月まで2期続けてやってきた『映画評論とフリーペーパーを作っちゃうぞ』ワークショップの受講生のパープルさん(仮名)が、これまでの活動をまとめたフリーペーパー《シネマ手帖増刊 よりぬきシネマ手帖》を持ってきた。でき上がったものはこれまでの二期分の活動をまとめた総集編で、ボリュームもある。自腹でカラーコピーしたという表紙もキャワイラシイ小猫ちゃんという卑怯な作り。なによりも思い入れたっぷりの前書きを読んで感動してしまいました。次回から、このワークショップは名前を変えて《桜坂劇場PRESS編集室》として動き出します。映画評論だけでなく、ネタの宝庫とも言える桜坂劇場を中心に、インタビューや取材、コラム。もちろん映画評も掲載するようなフリーペーパーを作ってもらうつもりです。《研究ラボ》という新しいカテゴリーは、参加者により自発的な企画運営を奨めるための活動形態だと考えていください。よりクリエイティブな展開を、乞うご期待!
しかし、作ったものに各人が愛着を持って、ワークショップ終了後に作品を持ってきてくれるのは、すごく嬉しい。これは映画制作のワークショップのOBチームでもそうで、みんなの課外活動が、目に見える形で広がっていくと、こっちもやりがいがある。もっとも、僕が講師として怠け者のせいで、受講生達が勝手に育っているということなのかもしれないが…。
言い訳ではないですが、何かを創りたいと思う人は、最後は自分でがんばるしかないんですよ。そのための仲間探しにワークショップ、もとい桜坂市民大学がお役に立つように活動したいと思います。
2008年01月05日
『オールド・ボーイ』とパク・チャヌク特集
レイトショーで『オールド・ボーイ』を観る。パク・チャヌク監督作品を観るのは初めて。評価の高い復讐三部作の一作目で、カンヌでもグランプリを取っただけあって、文句のつけようがない傑作。15年のあいだ理由もわからずに監禁された男、オ・デスの復讐劇。背後に大きな陰謀が渦巻いているのかと思いきやそうではない。莫大な金をかけてオ・デスを監禁した男にもハッキリと復讐心が渦巻いている。復讐という個人的で、行き場のない気持ちがぶつかりあうのだ。だからもう救いようのない悲しみに満ちている。だけど、この作品に罪人はいても悪人はいない。それが物語に大きな救いを与えていた。救いようのない悲しみに救いがあるのも変だが、そのもやもやが又この映画の力であり、人生と言うものなのかもしれない。
この作品をハッピーエンドと観るか、あるいはその逆と観るか?どっちとも言えないのか?観る人によって意見は様々だろう。観客の人生や、今の状況で反応は別れるはず。観客の数だけ映画はある。その観客の気持ちに応えながら、作品としての存在感を失わないパワーを感じる。たぶん、この映画を観て自分の反応を確かめるだけでも、観る価値があるように思う。ここから復讐3部作を経て、ラブコメ『サイボーグでも大丈夫』に到ったパク・チャヌク監督の変遷をたどるのが楽しみになった。
今回の特集では来週のレイトで『親切なクムジャさん』も上映しますよ。
2008年01月04日
『人のセックスを笑うな』ブッキング、ほか
エスクァイア日本版の最新刊に掲載されていた『メカス映画日記1959-1971』の再録を読んで感動。これは『リトアニアへの旅の追憶』で知られるジョナス・メカスの映画コラムの抜粋。特にジャン・ルノワールとジャン・ヴィゴへの絶対的な賛美に共感。元気をもらう。この号には桜坂劇場で上映が決定した作品の紹介や、検討中の作品もたくさん紹介されています。買うときは桜坂劇場のPanaで。
今日は配給会社もいくつかは仕事初めということで、電話を数本。話題の映画『人のセックスを笑うな』をブッキング。あと小粒ながら台湾の『花蓮の夏』と、中国を舞台にした『中国の植物学者の娘たち』も決定。この二本は同性愛が題材になっているが、当然ながら切り口が全く違う。それぞれの紹介はまた時間のあるときにでも。しかしながら、中国映画は最近とんと弱いですね。もうすぐ公開される『長江哀歌』『雲南の少女 ルオマの初恋』にもたくさん見にきて欲しいです。それと2月の白百合クラブLIVEについて関係者と連絡。2月11日(月)の午後はスケジュールを空けていてください。素敵なライブになります。
タグ :桜坂劇場
2008年01月03日
プログラム作りと劇場のニューフェイス
正月早々、昨日からスタッフがペンキ塗りをしてくれている。錆が目立っていた外階段を補修中。けっこうな高所作業なので時間がかかっている。ごくろうさまです。ワークショップがもうすぐ始まるので心機一転、気持ちよく来場いただけるように準備です。こないだまで白かった手すりは、ぜんぶ赤ペンキで塗装。おかげで劇場の側面に赤いラインがアクセントでつきました。これこそ新しい顔ですな。これからは説明するときも、「外側の赤い階段をお上りください」と言えるのでわかりやすいかと思います。今日は映画の感想はおやすみして3月のプログラムを試行錯誤。パズルのように絡みあった作品を効果的に組むために、日程スケジュール表と週単位の時間表、そしてそれぞれの作品データとライブスケジュールを交互に見ながら組みます。気が散ると意味がわからなくなるからたいへんです。配給会社とのやりとりは週明けからがほとんどなので、だいたいは固めてさっさと進めたいと思かんがえる。
タグ :桜坂劇場
2008年01月02日
『ペルセポリス』家族の歴史
今日は寒気がしたので早めに帰る。で、3月上映予定の『ペルセポリス』のサンプルを観る。原作は以前Panaで販売したときに買って読んでいたので、アニメ化が嬉しい作品。しかもこの春発表のアカデミー賞の外国語映画賞のフランス代表に選ばれている。ついでに書くと4月に上映予定の『ヒトラーの贋札』も同賞にノミネートされているので注目ください。それで『ペルセポリス』ですが、日本で公開されるのはフランス語版。主人公とその母の役を、キアラ・マストロヤンニ&カトリーヌ・ドヌーブ母娘が演じている。『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』に出ていたあの二人です。イランの少女と家族の物語
『ペルセポリス』はイラクで生まれ育った少女マルジの幼少期から成人になるまでの物語で、並行してイランの社会情勢が描かれる。ニュースで聞く情報は他人事だが、映画という形で語られると、身近な体験談として観れるので感慨もひとしおだ。また監督は実写で映画化すると、遠い異国の話になると思い、感情移入しやすいアニメで制作したというが。それは正しい選択だったと思う。その辺は公式サイトのインタビューをご参照ください。で、ちなみにこの作品の監督は原作者自身。つまりマルジ自身が監督もしているのが非常に意味深い。そのことで、物語は少女が目撃した一人称から、少女が家族から受け継いだ大きな歴史の一コマという流れの中に位置することになるからだ。アニメ特有の軽快な語り口の中に、大河ドラマのような深みを感じた。小難しいことを言えば、やはり語るべき話と、どうでも言い話というのが世の中にはあり、この『ペルセポリス』は前者。そして語り継ぐべき話としての価値を持っている。
優れたアニメ的表現
内容のことばかり書いたが、映像的にも楽しめる作品になっている。現在をカラーで、思い出をモノクロで描くというシンプルな表現だけではなく、歴史的な出来事は伝統的な壁画のようなタッチでデフォルメされたり、戦闘シーンはシルエットで生々しさを消しながらも暗鬱たる重さを持って描くなど、わかりやすい文法の中で、アニメらしい自由な表現が美しく描かれる。その辺は原作のコミックを4年描けて書いたという監督のグラフィック感覚だろう。
繋がっていく物語
興味深かったのは、マルジが青春時代を過ごしたパリでの話。異国の地でアラブの女がどんなに肩身の狭い思いをしたかが伝わる。ヨーロッパ人の無理解。これは先日上映した『アズールとアスマール』が描いたテーマにもつながる。映画を通して現実のピースが繋がったきがした。異文化への不寛容は日本人とてかわらないだろう。映画がこういうギャップを埋めていければおもしろいと思う。
あとどうでも言い予断だが、マルジの好きなスターがブルース・リーだった。ピーター・ジャクソンや、タランティーノなど、いかにブルース・リーが世界の映画人に影響を与えているか思い知りました。
>>公式サイト『ペルセポリス』
3/15〜 桜坂劇場にて上映
2008年01月01日
『線路と娼婦とサッカーボール』で年が明ける
正月休みということで、サンプルビデオに目を通した。『線路と娼婦とサッカーボール』。前にもザラッと観た程度だったのだが、時間ができたので鑑賞。
娼婦たちのサッカーチーム、奮闘記
中米のグアテマラ。リネア(線路)と呼ばれる貧民街が舞台。そこで働く娼婦達がサッカーチームを作って、サッカー協会の試合に出場し、一般的な婦女子のチームと対戦するというドキュメンタリー。彼女たちがチームを作るのは何もサッカーが好きというだけの理由ではない。公式戦に出ることで、自分たちの社会的な権利を主張しようという目的を持っている。たかが売春婦が路上で叫んでも、誰も耳を貸してくれないというわけだ。幸か不幸か彼女達の活躍は多いに話題になる。彼女達と試合をするとAIDSが感染する恐れがあるとして、対戦相手の関係者からクレームが出たのだ。他にも難癖はいろいろ。そもそもAIDS なんてそんな簡単にうつるものではないが、そういうクレームが、最下層の娼婦達ではなく、教養のあるチームの保護者から出てくるところが、彼女達の立場と、社会の構造をあぶりだしている。
人の尊厳は平等に与えられるのか?
映画では当然ながら、チームメンバー一人一人の背景も映し出される。そこには当然ながら家族がいて、普通に子供たちもいる。そんな中で身体をはって日銭を稼ぎ、子供たちの学費まで稼ぐ母たちはたくましく美しい。子供たちはそんな母親を尊敬し、愛しているのが泣かせる。売春は良い仕事ではないし、誰にも勧めないが、それ自体が罪と言いきるのは難しいということが、この映画を観るとよくわかる。これは自らを貶める人々ではなく、最下層からスタートした人々の物語なのである。映画はその辺は問題提起しているが、深く降りていくことはしない。大事なのは彼女達の職業ではなく、人としての尊厳を見せつけることにあるのだ。サッカーというスポーツを通して、誰もがルールの元で対等になれることを証明することが重要なのである。さらに映画は、彼女達の職業を否定している人々が、彼女達のサッカーまでもを否定する矛盾を見せつける。
意外と熱狂できた試合シーン
もちろん映画には何度か試合のシーンも登場する。ハンドボールのコートのような小さなコートで、まるでホームビデオのような映像なのだが、彼女達の日常を見ているだけに、感情移入ができて意外と興奮して見ていた。なんだか運動会に身内を応援しに行ったようなハイな気分になれる。もう映画を観ているうちに、だんだん彼女達の職業がどうでもいい感じになって、ただ単純に応援している自分に、僕を初め多くの観客が気がつくだろう。そしてそれこそがこの映画の目指すべき方向なのだ。必ずしもハッピーエンドとは言えないラストだが、グアテマラの娼婦たちの、人生で一番ハッピーな時間を共有できる。その瞬間をいっしょに味わって欲しい。桜坂劇場での公開は2月末。絶対楽しめるし、元気になれるドキュメンタリーです。
>>『線路と娼婦とサッカーボール』公式サイト
2/23(土)〜 桜坂劇場にて公開
娼婦たちのサッカーチーム、奮闘記
中米のグアテマラ。リネア(線路)と呼ばれる貧民街が舞台。そこで働く娼婦達がサッカーチームを作って、サッカー協会の試合に出場し、一般的な婦女子のチームと対戦するというドキュメンタリー。彼女たちがチームを作るのは何もサッカーが好きというだけの理由ではない。公式戦に出ることで、自分たちの社会的な権利を主張しようという目的を持っている。たかが売春婦が路上で叫んでも、誰も耳を貸してくれないというわけだ。幸か不幸か彼女達の活躍は多いに話題になる。彼女達と試合をするとAIDSが感染する恐れがあるとして、対戦相手の関係者からクレームが出たのだ。他にも難癖はいろいろ。そもそもAIDS なんてそんな簡単にうつるものではないが、そういうクレームが、最下層の娼婦達ではなく、教養のあるチームの保護者から出てくるところが、彼女達の立場と、社会の構造をあぶりだしている。人の尊厳は平等に与えられるのか?
映画では当然ながら、チームメンバー一人一人の背景も映し出される。そこには当然ながら家族がいて、普通に子供たちもいる。そんな中で身体をはって日銭を稼ぎ、子供たちの学費まで稼ぐ母たちはたくましく美しい。子供たちはそんな母親を尊敬し、愛しているのが泣かせる。売春は良い仕事ではないし、誰にも勧めないが、それ自体が罪と言いきるのは難しいということが、この映画を観るとよくわかる。これは自らを貶める人々ではなく、最下層からスタートした人々の物語なのである。映画はその辺は問題提起しているが、深く降りていくことはしない。大事なのは彼女達の職業ではなく、人としての尊厳を見せつけることにあるのだ。サッカーというスポーツを通して、誰もがルールの元で対等になれることを証明することが重要なのである。さらに映画は、彼女達の職業を否定している人々が、彼女達のサッカーまでもを否定する矛盾を見せつける。
意外と熱狂できた試合シーン
もちろん映画には何度か試合のシーンも登場する。ハンドボールのコートのような小さなコートで、まるでホームビデオのような映像なのだが、彼女達の日常を見ているだけに、感情移入ができて意外と興奮して見ていた。なんだか運動会に身内を応援しに行ったようなハイな気分になれる。もう映画を観ているうちに、だんだん彼女達の職業がどうでもいい感じになって、ただ単純に応援している自分に、僕を初め多くの観客が気がつくだろう。そしてそれこそがこの映画の目指すべき方向なのだ。必ずしもハッピーエンドとは言えないラストだが、グアテマラの娼婦たちの、人生で一番ハッピーな時間を共有できる。その瞬間をいっしょに味わって欲しい。桜坂劇場での公開は2月末。絶対楽しめるし、元気になれるドキュメンタリーです。
>>『線路と娼婦とサッカーボール』公式サイト
2/23(土)〜 桜坂劇場にて公開
2008年01月01日
あけましておめでとうございます
しばらく開店休業状態だった、桜坂劇場ディレクター個人のBlogです。Blogは便利なのですが、そのぶん不自由さもあって付き合いかたをつかめずにいたのですが、今年は情報発信をまじめにしていこうということで、ちょっと模索しながら進めていきたいと思います。
主に、観た映画の感想や紹介、後はブログらしくぬるい文章もつらつらと…硬軟取り混ぜて書いていこうと思いますのでよろしくおねがいします。
デザインは、最初なんでシンプルに。じょじょに使いやすくみやすくしていこうかと思っています。
ブログという奴はリアルタイムな分だけ消費が早いので、その辺は公式サイトと連動させて長い目で見ていけるような、消費に甘んじない情報になれたらいいね。
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