2006年10月30日

東京レポート

東京にやってきました。土曜日のうちに入り、吉祥寺バウスシアターのオールナイトへ。石井聰互監督の特集。音響はライブ用のスピーカーを仕込んでの超爆音上映会。昔見た作品だったけど、音圧がものすごい。満席だったので後ろの方で見たんだけど、壁にもたれると爆音で壁がビリビリ震えていた。

日曜日は『蟻の兵隊』の宣伝のため、監督の池谷薫さんの事務所へ。DVカメラを回して取材いたしました。池谷さんはこの映画の宣伝で、あちこち飛び回っていて、この日も福島から帰ってきたばかりとのこと。沖縄に来る時も、東京からじゃなくて広島から入るんだよね。精力的に動かれています。また、話題は自然と奥村和一さんのことになる。奥村さんのおちゃめなキャラクターは、この作品の魅力になっている。早く本物に会いたい。11/11のトークショーが今から待ち遠しい。

その後、渋谷のライズXにて『悪魔とダニエル・ジョンストン』を鑑賞。ライズXは無茶苦茶狭いスペースを無理やり二階席まで作ったビデオシアター。スクリーンが一階からも二階からも見づらいという変な劇場。ともあれ映画は期待通りおもしろかったです。ダニエルは躁鬱病のミュージシャン。精神を病んでいるが、頭が悪いわけではない。むしろ天才肌のアーティスト。ちょっと聞くと、曲の調子がはずれている気もするが、彼自身の心の痛みや、浮かれた躁状態が伝わってくる切ない魅力を持っている。また彼が心の病を持ったことの原因として、キリスト教原理主義者の母親の影響があげられていたので、家族の関係はもっとギスギスしているのかと思っていたが、両親のインタビューもあったし、その内容も自分たちの関係をしっかり見据えているようで、人の家庭ながら安心してしまった。でもそれだけに、彼の病気が切ないのだが。うまく感想がまとまらないのだが、幸せでもないが不幸でもない、ピュアでもあるが、悪魔のようにもなるダニエルのロクデナシ人生が、うちあたいとともに押し寄せてくる。
ついでに大好きなフレディー・マーキュリーのドキュメンタリーを観に新宿へ。素晴らしい音楽と、充実したインタビューと、意味のないイメージショットと、才能のない演出にイライラさせられただけだった。もっとどうにかなっただろう!
その後、ひさしぶりに歌舞伎町の天下一品でラーメンを食して宿に帰る。  

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2006年10月20日

複雑な気持つ…

この数ヶ月、けっこう安定してお客の見込める作品の上映が増えてきた。最初の一年はどれも週単位で作品が入れ替わっていたのに。一年前は「二週間もやってお客が入るのかしら?」みたいな気分だったのに、最近は「2or3週?いや4週?」という作品もある。劇場の認知度が上がり、お客さんがきてくれるおかげである。
しかし、悲しいことに作品が入り出すと、プログラムの交通整理がたいへんになる。長い作品を順番に頭から入れていければ楽だけど、映画にはやはり公開に適した時期がそれぞれある。それをぬって作品をスケジュールにはめ込むのは、もうパズルである。短い周期でたくさんの映画を上映していた時は、まだ楽だった。無理やりハメルと、いびつなプログラムになる。また当然ながら一本の作品の上映期間が長くなると、公開本数も減る。つまり上映作品にバリエーションが出しにくくなるのだ。いや、これは贅沢な悩みであることはよくわかる。心情的には、お客が入らないけど良い作品を細く長く上映したいという気持ちもある。現実的には難しいけどね。工夫のしようはまだあるのかも知れない。なんとか絶妙なプログラム方法を考えないといけない。それに最近まとまった日数が取れずに、特集上映もおざなりだ。もう少し頭をひねらねば…と反省の日々である。  

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2006年10月15日

『ミッドナイトムービー』と観客

まだレンタルビデオが普及する前の時代。小さな劇場の深夜枠でのみ上映され、話題を呼んで大ヒットとなり、時代を超えて尊敬され続ける映画たちがあった。それらの作品は『ミッドナイト・ムービー』と呼ばれるた。『エル・トポ』『ピンクフラミンゴ』『イレイザーヘッド』など、それまでの映画の範疇を超えた、マイナーなインディーズムービーがなぜ大ヒットできたのか。映画『ミッドナイト・ムービー』は関係者のインタビューを集めてその時代を解きほぐす興味深い映画だった。なにより、単にカルト・ムービーを紹介するだけの作品になっていないところがおもしろい。映画の内容やメイキングにも触れるが、メインは製作者の心意気と、それをヒットさせようとする劇場主の言葉、それを支持する観客たちとその時代の空気。ちょっとした文化人類学の講座のように、映画ファンでなくても楽しめる様な造りなのだ。
なかでも仕事柄、劇場主たちの言葉が心に響いた。彼らもまた自分の小さな小屋を使って、世界的にな作品を世に紹介し続けたのだ。同業者だと思うと、えらくかっこいい。
中でも感動したのは『ロッキー・ホラー・ショー』のくだりで、ファンクラブの会長たちが「ぼくらは製作者から映画をうばった」と言うところ。製作者の思いを超えて、映画が独り歩きし始める、なんともカッコいい瞬間に立ち会った人々の興奮が伝わってきた。
ともかく、映画は文化を作った。そんな時代の興奮を伝えてくれる。ミッドナイトムービーという映画の思春期のような微妙な時代を感じさせるユニークな映画だった。  

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2006年10月13日

東京行き、フランス行き

下半期は出張が多い。もうじき東京に試写を見に行く予定。ついでに石井聰互監督のオールナイトも行こうかなと、思案中。さらに長い目で見て、いろいろ企画を考えようということで、年内にフランスなんぞ行ってこようか思ってます。そっちはアニメーション関連の企画です。今日もいっしょに出かけるSさんとうちあわせ。けっこう日数を食うので、これから2月までのプログラムを早めに決めないといけないことに気がつく。
細かいことは、メールでやり取りするにしてもだ、大枠は決めないと…死ぬなこれは。
フランスから帰ったら、桜坂劇場ではフランスのアニメの名作「王と鳥」の上映があります。そこでトークショーなんかをつけてフランス報告も企画中です。お楽しみに。

それと今日はベリーダンスのステージを桜坂劇場ではやりました。沖縄のベリーダンスの教室の先生と、その生徒さん。さらにヨーロッパから来た先生の先生。今までにない躍動感のあるステージだった。おもしろかったけど、劇場の構造的な工夫も迫られるステージでした。チャレンジしがいのある企画だったってことで。こんどはフラメンコに、インド舞踊と、世界のダンスが続きます。早々、先週は白百合クラブでしたしね。白百合クラブも新曲、新ダンスが飛び出す嬉しいステージでした。  

Posted by 真喜屋 at 23:24Comments(0)TrackBack(0)日記

2006年10月13日

難しいのだ

『フラガール』は大ヒット&良作であるのに、たった13日間の興行で終わってしまいました。そんなわけで12月23日からの再上映となりました。しかも今度はコザの沖縄市民小劇場あしびなーと"二館どり"です。クリスマスシーズンのフラダンスも良いかと思いますよ。何しろ感動しちゃうしね。

ともあれ、桜坂劇場は2ヶ月前にはスケジュールを決めないといけないので、ヒットしたからすぐに上映延長ということができないのが難点です。プログラム・ディレクターの真価が問われる所でもあります。こと『かもめ食堂』のように、東京での大ヒットを受けての上映なら、多めに取れるのですが、『フラガール』のように全国同時公開だと、公開の二ヶ月前なんて一般の人のあいだでは盛り上がってないわけです。その段階で、ヒットの度合いを確かめる術は…、試写会に行ってればもう少し判断がかわってたかもと思うと、悔やまれますが、この失敗は頭にたたき込んで次回のプログラムに行かしたいと思います。なんと言っても興行は水物です。今はもうすでに2月あたりのプログラムに着手しております。楽しいです。  

Posted by 真喜屋 at 08:37Comments(0)TrackBack(0)日記

2006年10月03日

『ホテル・ルワンダ』in KOZA

桜坂劇場は桜坂という土地に根ざした劇場を目指しています。が…、ここを拠点に様々な映館をあちこち持って行きたいと常日ごろ考えております。これまでも新聞社と組んで出張上映や、実行委員会とともに開催した名護での『ナミイと唄えば』上映、農連市場での『恋するトマト』、久茂地公民館での『点子ちゃんとアントン』の上映など。
そんなふうにいろんな人と組みながら、映館を待っている人のところにいけたらと思います。
で、コザの"沖縄市民小劇場あしびなー"さんからの声掛けで、ついにコザでの上映がスタートします。第一段は『ホテル・ルワンダ』。3日間限りですが、今後も定期的に上映して行く予定ですのでお楽しみにお待ちください。  

Posted by 真喜屋 at 09:10Comments(1)TrackBack(0)映画紹介

2006年10月02日

『フラガール』いいぞ!

土曜日初日の『フラガール』観ました!ひいき目なしに、すごい良くできた映画です。いやもうね、観客が一体となって笑ったり泣いたり。あげくの果てに「あ〜…」とか、ため息ついたりして。もう僕だけでなく、全員がこの映画を好きになって、のめり込んでいることが判る。実際に、時代背景とか知らなくたって、ぐいぐい引き込まれてさ。ベタベタの涙ではなく、笑いながら涙がこぼれてくるような爽快感を味わいました。今年の邦画No.1でしょう。

蒼井優の演技力のすばらしさはたまりません。その母親役の冨士純子もね、さすが仁侠映画のスター女優だけあって、そのたたずまいの迫力は、セリフなどいらない存在感でした。青春映画という枠を超えて、生きてくため、家族のため、村のために歯を食いしばって一人一人が戦ってる感じがもうたまりませんね。

監督の李相日といえば、ほんの数年前にデビューした若者です。日本映画学校の卒業製作『青 chon』でグランプリなど受賞。理由は忘れたけど、僕はその授賞式に顔を出してたっけ。その後も、彼の先輩が仕事仲間だったので、チョコチョコ事務所に顔を出す李監督とは同席する機会があったんだけど、何せ周りが先輩ばかり「おいっ、リー!」とか「李くん」とか、なんかぺーぺー感の漂う呼ばれ方をしていた。そんでこっちも、そんなに親しくないのですが、「あっ、李くんの新作か」とか、"くん"呼ばわりをしていました。しかし『フラガール』観ると、やっぱすごいね。ちゃんと、まっとうな映画で勝負できる実力派だなって感心しました。これからは「李監督」と呼びます。

劇場としてはこの傑作を、一人でも多くの人に見てもらうべくがんばりたいと思います。みんな、だまされたと思って観てね。  

Posted by 真喜屋 at 02:28Comments(5)TrackBack(6)映画紹介