2006年07月08日

『柔道龍虎房』に秒殺された私

ガツンと一撃を喰らった!それが『柔道龍虎房』の感想。まず最初に誤解のないように言っておくと、これはアクション映画ではない。良質の、きわめて良質の青春映画である。しかも青臭い青春映画ではなく、もはや青春なんて恥ずかしくて口にも出せないような、言ってしまえば、とうに青春を卒業していなければならない男と女の青春映画である。誰もが何かを引きずって、常にギラギラする瞬間を求めながらも、グダグダと日々を過ごしている。そんな人間たちが出会い、合流することで、少しずつ光が差してくる。それが本当にキラキラと輝いてたまらない。映画を観ながら何度も笑いの一本背負いに投げ飛ばされ、切なさの寝技に翻弄され、感動の有効を決めまくられる。観て損はないというより、観て欲しい作品なのである。

今や香港映画を代表する監督ジョニー・トー。『柔道龍虎房』の脚本は本当に巧い。テンポが良くて感動もあるが、馬鹿馬鹿しいくらいの"けれん味"も忘れちゃいない。ハートをギューッっと捕まれるようなシーンも、無駄なセリフがいっさいない。主人公たちの動きで、感動がスーッとしみ込んでくるようにできている。観てるこっちまで、登場人物と心が通いあうような瞬間が、そこかしこにある。これが映画の魅力ってやつだよね。

愚痴ではないですが、当劇場のプログラム・ディレクターの僕でさえ、香港映画が当たるなんて思っちゃいない。ジョニー・トー監督がすごいと言っても、一部のマニア受けしかしない監督と思われるのがオチだろう。それでも彼の作品は、沖縄で上映するに値する作品だと思う。実は桜坂ではこれまで『PTU』『マッスル・モンク』『ブレーキング・ニュース』『イエスタデイ、ワンスモア』に『柔道龍虎房』と、ジョニー・トー作品を通算5本も上映している。いや、冗談抜きでおもしろくて、娯楽性があって、巧い監督なのである。一週間しかやらないけれど、今からでも遅くはない。この傑作を見逃してはいけない。  

Posted by 真喜屋 at 23:45Comments(6)TrackBack(3)映画紹介

2006年07月08日

メリーさん登場

『ヨコハマメリー』は変則的に金曜日スタートとなったわけですが、好調なスタートでありました。口コミも期待される作品なので、今後が楽しみ。壁にはメリーさんを追いかけていた写真家の森日出夫さんの写真も展示しているので、そちらも写真の迫力をお楽しみください。それでこないだまで壁に貼っていた実物大ポスターを、作り直してメリーさんの実物大スタンリー(書き割り)を制作。身長は監督に聞いた「僕の肩くらい…」という、大ざっぱな証言をもとにパソコンで写真を拡大して作ったものです。宣伝のためというのもあるけど、やっぱメリーさんには立っていて欲しいんですよ、僕としては。行き交うお客様の間からかいま見得るメリーさん(書き割り)をみていると、なんだか本物のメリーさんもこうして書き割りのように街の中に立っていたんじゃないかと…そんな思いがよぎります。今日は劇場で「ヨコハマメリー」を観ました。人に話をしたくなるというよりは、心の中で反芻していたくなるような作品でした。深いです。今日はこのあとジョニー・トーの『柔道龍虎房』も観て帰ります。  

Posted by 真喜屋 at 20:31Comments(5)TrackBack(1)映画紹介

2006年07月03日

あなたのメリーさん

『ヨコハマメリー』の写真を拡大して《ほぼ、等身大メリーさん》を印刷。劇場に貼り出した。遊び半分ではあるけど、半分はメリーさんがいたヨコハマを再現したいという気持ちがあった。メリーさんだけでヨコハマを表現することなど強引かも知れないが、メリーさんがたたずんでいる風景を劇場の中に再現できれば、メリーさんの背負ったヨコハマもまたそこに現れるような気がしたのである。映画の上映にあわせて、メリーさんをとり続けた森日出夫さんの生写真も展示することになっているので、写真展だけでも観に来てください。

さて先週の月曜、火曜は『ヨコハマメリー』の監督、中村さんとマスコミ周りをしていたわけだが、まあ道行きとか、あちこちでメリーさんの話をしていて気がつくのは、本当に誰もがメリーさんに興味を持っているということだ。食いつきがイイってやつ。きっと誰もがメリーさんの様な存在を持っていて、その部分と共鳴しているんじゃないだろうか。例えば、今、道路の延長工事が桜坂劇場の背後で進んでいる。そこには小山があって、使われていない古い墓が三つあって、パワーショベルがその山を削り取っている。木々を取り払ってさらけ出された空き墓を眺めていると、かつてそこに集まったであろう家族のドラマに、かってな想いが広がっていく。墓はずっとそこにあり、僕の知らないドラマがそこにあった。そんな消えていく街の記憶をたぐり寄せ、一つに編み上げたのが『ヨコハマメリー』の本当の意味なのではないか。『ヨコハマメリー』はメリーさんの人生や、その友人である元治郎さんたちのドラマでもあるけど、同時に誰もが心に持っている記憶を呼び覚ます力を持っている。そんなことを考えていると、映画を観る人たちに、質問をしたくなった。「あなたにとってのメリーさんはなんですか?」と。よろしければコメント欄に書いていってください。  

Posted by 真喜屋 at 08:27Comments(3)TrackBack(0)日記

2006年07月03日

一周年

愛されて一周年。愛されたくて一周年。ともかく無事365日をやって来ました。今どき映画興行を始めるというのは大変なことなのですが、独自路線でどうにかこうにか乗りきってまいりました。日頃、お客様からの喜びの声やおしかりの声に一喜一憂しながら、大事な場所になってくれるようどりょくいたします。

とか何とか言いながら、一周年目のイベントも、大きなトラブルが二つほど。一つはフィルムの故の事故の部分はあるのですが、一つは映写ミス。フィルムの量が大量にあったとはいえ、やってはいけないミスでした。楽しみにしていただいたお客様には、本当にもうしわけないことをしてしまいました。この場を借りておわびいたします。

さて、その一周年イベント。フィルムリレーの『黒蜥蜴』はお客様があふれるほどの超人気でした。またどこかでカルトムービー大会の様なことをしてみたいと思いますので、その時までお待ちください。  

Posted by 真喜屋 at 08:26Comments(0)TrackBack(0)映画紹介