2008年07月13日

『靖国 YASUKUNI』を巡る問題に関する私見

7月12日(土)より桜坂劇場でも話題作『靖国 YASUKUNI』(以後、『靖国』)の上映がスタート。初日に300人を超える観客に足を運んでいただきました。そういうところで、この映画に対する自分の意見をまとめてみました。映画館を代表した意見というよりは、個人的な思いです。また助成金の問題などは、劇場での上映と直接関係ないことでもありますが、関連する問題だし、自分も過去に『パイナップルツアーズ』という映画でもらったことがあるので見過ごせないかなと思い書いておきました。

上映中止問題
他の劇場が選択した結論に、どうこう言う気はまるでありません。同じことが桜坂劇場では起こらないと言いきる自身もありません。また原因が右翼だけにあるとも思ってません。簡単には割り切れない複雑なことが起こったように思えます。ただし、この件が大きく報道され、結果として映画の認知度を上げ、作品としてはより多くの観客を獲得したのは皮肉な事実。このことで右翼の人々が、これ以上ことを荒立てるのは得策でないと考えたとすれば、東京での上映中止という犠牲が、全国展開をスムーズにしたと言えないこともないでしょう。ただ、劇場運営を行う人間として、一度は上映を決定し、公開日も発表した作品をドタキャンにするというのは、その覚悟を問われることなのだという事実を肝に銘じたいと思います。

助成金の問題
ともかく助成金をあたえる作品の選定に対して、政治家がとやかく言うのは意味がわからない。そもそもそういう圧力を避けるために専門的知識を持つ第三者による審議会が作られるわけで、そこで選んだものをイデオロギー的な色眼鏡で難癖つけるのは本末転倒。選択の是非は納税者が映画を観て決めることではないでしょうか。国会議員が公開前の作品に対して世論を作って、返金請求を訴えるなんてことが通るとしたら、助成金をもらうためには最大与党の政策に沿った映画を作るしかなくなってしまう。もはや文化庁の助成金ではなく、国策映画の奨励事業になってしまう。

だいたい芸術というのは時として現在の状況に異論を投げ掛けたり、固まった常識を揺り動かして、他の視点を持ち込む道化師のようなもだと思う。そういう力を持った作品をセレクトするという考え方なら『靖国』への出資がまちがっているとは僕には思えない。ともかく今回のように「日本文化を否定的に扱う作品に助成するべきではない」という某議員の考え方を聞いていると、ナチスが印象派など近代芸術を退廃芸術と位置づけ、その作家たちを公職から追放し、国家にとって健全で純粋なロマン主義的写実主義を持ち上げまくった歴史を思い出す。

また監督が中国人で、製作の母体は中国の製作会社。日本人のプロデューサーが一人混じっていだけの映画『靖国』を、日本映画への助成金対象とすることに対して反論が論が持ち上がっている。じゃあ、これがまったく別の、例えば『ラストサムライ』のように、日本文化にリスペクトを送るような映画だったら、誰か文句を言っただろうか?仮定の話をしてもしょうがないが、重要なのは審議委員に、今の日本に必要とされるであろう映画に対して覚悟を持って出資を決める権限をきちんとあたえることだと思う。その作品に一人でも日本人がかかわっているなら、出資の対象として排除する理由にはならないのではないか。そもそも『靖国』一本をまな板にあげて、助成金の審査にいちゃもんをつけるというのは感情的と言われてもしょうがない。

出演者の問題
刀鍛冶の刈谷さん、そしてメインビジュアルに使われてしまった自衛官。その双方から映像使用を差し控えてほしいという声が出ていることが問題視されていた。そんな声の出ている映画を上映するのはけしからんと桜坂劇場に対して思っている人も中にはいるかも知れない。しかしドキュメンタリーとはおおむねそういうものです。それに刈谷さんに関しては、最終的に映画が完成し、公開を直前に控えているという事実を知ってからは、映像使用を許可していると聞いている。つまり先の意見は、「映画がまだ完成しておらず、修正が可能であれば」という前提付きのものだったという。おそらく刈谷さんの意思として、自分が映画に使われて誰かに迷惑がかかることも、上映直前に文句をつけて制作者に迷惑をかけることも、同じように避けたいことだったのではないだろうか。刈谷さんの実直な人柄が感じられる。もし政治家がそういう人を政治的に追い込んで「使用差し止め」の言説をとったのであれば、これは問題であろうし、そんな状況から刈谷さんを守れなかった製作側の不手際も反省点としてあげられると思う。

そんな状況だからこそ、僕は上映をするべきだと思っている。なぜなら映画の中で刈谷さんの存在感は強烈なのだ。確かに映画というのは、編集や構成などで、技術的に事実をねじ曲げることはできる。そうやってプロパガンダ映画なるものは作られてきた。しかし、映像というのは、監督の意図を越えてもっと雄弁になることもある。その気になれば、観客は映像から、監督が意図しない事実、隠れた真実を読み取れる。それがドキュメンタリーのおもしろさだと個人的には思いっている。少なくともこの映画での刈谷さんの素敵な笑顔と、実直な生き様、そして日本文化への深い思いに嘘やイヤミは感じられない。演出がどうこうという域を超えた存在感なのである。こればかりは観ないとわからない。だから出演者に対して責任をとるならば、きちんと上映をするべきなのです。そこに映る刈谷さんと靖国神社との関係、そして戦争という遺恨をどのようにとらえるか。そこをきちんと意見や感想をぶつけあえばいいのです。

『靖国 YASUKUNI』の存在意義

だいたい、この映画の公開によって、右翼の人々の言論を聞く機会が増えたのも事実。右も左も一般の人も、価値観や日ごろの思いをぶつけ合うことができ、また相手の考えを聞いてみたいと思えるようになったのは、共通のテーマとして『靖国』という映画の存在があったからでしょう。そして、そういう作品は外国人であるリ・イン監督による黒船的視点があったからこそ成立している。『靖国』という映画の存在意義はまさにここにある。『靖国』という映画が永遠に語りつがれる名作になるかどうかはわからないが、今の日本に大きな意味をあたえる作品になる可能性を持っている。だから助成金の対象としてなんら問題はないのじゃないのか。

あちこちで書いたが、僕は終戦記念日の靖国神社に何度も足を運んだことがある。その経験からすれば、この映画に映し出されている靖国神社の姿は、ほんの一部でしかない。その半端な描き方に警戒心を抱く右翼の心配もよくわかる。でも、観客の自身がもっと知りたい、話を聞きたいと思う欲求も僕らは信じていたい。偏った思考を揺り動かす振れ幅を生み出したいし、着地点を見つける材料を提示したい。そしてそこで論議が起こるのを観て見たい。突き詰めれば劇場の使命ってそういうことじゃないかと思う。

最後に宣伝ですが、まずは映画を観てください。そして靖国神社だけでなく、今回の問題についていろいろ知りたいと思う方は、劇場でも売っている『映画 靖国 上映中止を巡る大議論』(創出版)を読むことをオススメします。事実関係や、様々な当事者の感想がまとめられていて、読みごたえがあります。  

Posted by 真喜屋 at 16:28Comments(6)TrackBack(0)映画紹介

2008年04月13日

『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』感想

個人的には今年最大の邦画の目玉だと思っている『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』のプレミア上映とトークショーのため、若松孝二監督と出演者のARATAさん、大島信満さんを迎えた。さらに上映当日には脚本を担当された掛川正幸さんも来場。掛川さんは、わざわざこの日のために沖縄で仕事を作って、その経費でやってきたらしい。ありがとうございました。

映画はもちろん傑作でした。若い監督がノホホン、まったりとしたテイストの映画を作る今の時代に、御年72歳の若松監督が、観客に何かを突きつけるような骨太な映画を作っている。しかも私財を投じて。このエネルギーはなんなんだ。聞けば、映画の中で使用されるあさま山荘のセットは、監督の別荘だとか。映画のために水浸しになったうえに、破壊されると言う最後を迎えたらしい。それでも監督は笑顔で、「お金はなくなっても映画が撮り続けらればいいんだよ」と、映画作りの歓びを謳歌していました。すてきだと思います。さらに「歳をとったら冠婚葬祭に出すお金だけあれば良い」と、仲間との繋がりを大切にする一面も見せてくれた。そんな思いが若松さんの映画制作の原動力であることは、まちがいないと思う。

だから『実録・連合赤軍〜』はおもしろい。単に過激派の残酷な事件を興味本位に描くのではなく、思想的なシンパとして美化するのでもない視点。だからといって宙ぶらりんな、立ち位置でもない。同じ時代の空気を吸っていた人々の抵抗と挫折を、怒りと優しさ、そして悔やみといった共感と責任をもって描こうとした試みが、素直に観客の心に届く。それは時には痛いのだが、3時間10分の長尺を、一気呵成に見せてくれる。

僕にとって連合赤軍は《過激派》《怖い人》《不気味な若者》として、顔のないイメージだけの存在だった。この時代、おそらく多くの人がそうだと思う。この映画ではそんな彼らの顔が見えてくる。だかあチラシの裏にあった彼らの顔を、幅2.2m、縦0.6mの大判のポスターにして劇場内に貼りました。映画を観が人たちに、メンバーの一人一人の人生をもう一度思い浮かべてもらいたかったからだ。同世代の人なら、そこにまた違う誰かの顔をイメージするかも知れない。若い人なら、彼らの迷いに自分の顔を重ねるかも知れない。いずれにしても、この映画で、やっと僕らはあの事件と向き合うための顔を手に入れた気がした。


あのころと今と、何も変わっていない。ダメなものにダメと言える勇気は必要だし、同じまちがいをしないための反省も必要なんだよ。若松監督はそんな言葉を残して沖縄を後にしました。明日はブエノスアイレス、その後は韓国に行かれるそうです。  

Posted by 真喜屋 at 13:34Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年02月02日

『中学生日記』上映

山下敦弘監督の『中学生日記』の特別上映。これは『童貞。をプロデュース』の松江監督が一押しだったので、『天然コケッコー』上映にあわせて、土曜夜の一夜限りの上映。一回だけの上映とはもったいないが、すでに1月のプログラムが固まったところで無理やりねじ込んだ作品なのでしょうがない。22:40からの上映というハンディがあった24人の観客が訪れる。それ以外にも仕事の終わったスタッフも集まってなんか賑わっていた。この上映にあわせて、東京から映画の出演者たちが三人やってきた。

上映終了後、簡単なトークショー。撮影秘話などをお聞きしました。なれないトークショーに役者三人が固まるのが、逆におもしろくて観客に設けていました。この日販売した『中学生日記』のDVDも完売。映画が受入れらたってことですね。安心。

この映画はニューシネマワークショップの授業の一環として作られた物で、講師の山下監督が、生徒達にシチュエーション説明して、芝居を作りながら物語も作っていったもの。僕がコザでやっているものと、基本はいっしょだけど、こっちはもっと時間をかけて芝居を作っている。

最近は、いわゆる深夜番組ノリな映画があるが、ギャグの連打に力は注ぐが、キャラクターに深みのない作品が多い。感情移入するからこそ、シュールな展開でも笑えるし、見終わった後も心に残るはずなのだが、その場凌ぎのギャグで盛り上がろうというのは、チャレンジとして甘いなあと思う。でも『中学生日記』や、夏に公開した山本政志監督『聴かれた女』のように、映画監督が作る作品は低予算であっても、キャラクターの描き込みがしっかりしていて、ギャグへの感情移入や、見終わった後の充実感が違う。すべてがそうだとは言わないが、少なくとも『中学生日記』のおもしろさは、作り手の映画監督らしさからくる物語への信頼と愛情を感じました。機会を作ってまた上映してみたいです。  
タグ :山下敦弘

Posted by 真喜屋 at 23:19Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年01月29日

『サルサとチャンプルー』波田野監督来沖

『サルサとチャンプルー』の波田野監督が来沖。映画がスタートする2/9は大学が忙しいということで前倒しでプロモーションにきてくれたのだ。『サルサとチャンプルー』はキューバに移民した日系人の物語だが、沖縄からの人々が軸になって描かれている。そんなわけで沖縄が先行スタート。東京ではアップリンクで上映です。
波田野さんは日大で多くの映画人を育ててきて、もう70歳くらいの年齢。いかにも大学教授という風貌からはそうぞうできないバイクマニアでもある。聞けば60を過ぎてからユーラシア大陸の横断をしたそうだ。そんな波田野さんがキューバで見た移民達の歴史。ぜひ劇場でごらんください。  

Posted by 真喜屋 at 22:19Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年01月05日

『オールド・ボーイ』とパク・チャヌク特集

レイトショーで『オールド・ボーイ』を観る。パク・チャヌク監督作品を観るのは初めて。評価の高い復讐三部作の一作目で、カンヌでもグランプリを取っただけあって、文句のつけようがない傑作。

15年のあいだ理由もわからずに監禁された男、オ・デスの復讐劇。背後に大きな陰謀が渦巻いているのかと思いきやそうではない。莫大な金をかけてオ・デスを監禁した男にもハッキリと復讐心が渦巻いている。復讐という個人的で、行き場のない気持ちがぶつかりあうのだ。だからもう救いようのない悲しみに満ちている。だけど、この作品に罪人はいても悪人はいない。それが物語に大きな救いを与えていた。救いようのない悲しみに救いがあるのも変だが、そのもやもやが又この映画の力であり、人生と言うものなのかもしれない。

この作品をハッピーエンドと観るか、あるいはその逆と観るか?どっちとも言えないのか?観る人によって意見は様々だろう。観客の人生や、今の状況で反応は別れるはず。観客の数だけ映画はある。その観客の気持ちに応えながら、作品としての存在感を失わないパワーを感じる。たぶん、この映画を観て自分の反応を確かめるだけでも、観る価値があるように思う。ここから復讐3部作を経て、ラブコメ『サイボーグでも大丈夫』に到ったパク・チャヌク監督の変遷をたどるのが楽しみになった。

今回の特集では来週のレイトで『親切なクムジャさん』も上映しますよ。  

Posted by 真喜屋 at 23:00Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年01月02日

『ペルセポリス』家族の歴史

今日は寒気がしたので早めに帰る。で、3月上映予定の『ペルセポリス』のサンプルを観る。原作は以前Panaで販売したときに買って読んでいたので、アニメ化が嬉しい作品。しかもこの春発表のアカデミー賞の外国語映画賞のフランス代表に選ばれている。ついでに書くと4月に上映予定の『ヒトラーの贋札』も同賞にノミネートされているので注目ください。それで『ペルセポリス』ですが、日本で公開されるのはフランス語版。主人公とその母の役を、キアラ・マストロヤンニ&カトリーヌ・ドヌーブ母娘が演じている。『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』に出ていたあの二人です。

イランの少女と家族の物語
『ペルセポリス』はイラクで生まれ育った少女マルジの幼少期から成人になるまでの物語で、並行してイランの社会情勢が描かれる。ニュースで聞く情報は他人事だが、映画という形で語られると、身近な体験談として観れるので感慨もひとしおだ。また監督は実写で映画化すると、遠い異国の話になると思い、感情移入しやすいアニメで制作したというが。それは正しい選択だったと思う。その辺は公式サイトのインタビューをご参照ください。で、ちなみにこの作品の監督は原作者自身。つまりマルジ自身が監督もしているのが非常に意味深い。そのことで、物語は少女が目撃した一人称から、少女が家族から受け継いだ大きな歴史の一コマという流れの中に位置することになるからだ。アニメ特有の軽快な語り口の中に、大河ドラマのような深みを感じた。小難しいことを言えば、やはり語るべき話と、どうでも言い話というのが世の中にはあり、この『ペルセポリス』は前者。そして語り継ぐべき話としての価値を持っている。

優れたアニメ的表現
内容のことばかり書いたが、映像的にも楽しめる作品になっている。現在をカラーで、思い出をモノクロで描くというシンプルな表現だけではなく、歴史的な出来事は伝統的な壁画のようなタッチでデフォルメされたり、戦闘シーンはシルエットで生々しさを消しながらも暗鬱たる重さを持って描くなど、わかりやすい文法の中で、アニメらしい自由な表現が美しく描かれる。その辺は原作のコミックを4年描けて書いたという監督のグラフィック感覚だろう。

繋がっていく物語
興味深かったのは、マルジが青春時代を過ごしたパリでの話。異国の地でアラブの女がどんなに肩身の狭い思いをしたかが伝わる。ヨーロッパ人の無理解。これは先日上映した『アズールとアスマール』が描いたテーマにもつながる。映画を通して現実のピースが繋がったきがした。異文化への不寛容は日本人とてかわらないだろう。映画がこういうギャップを埋めていければおもしろいと思う。

あとどうでも言い予断だが、マルジの好きなスターがブルース・リーだった。ピーター・ジャクソンや、タランティーノなど、いかにブルース・リーが世界の映画人に影響を与えているか思い知りました。

>>公式サイト『ペルセポリス』
3/15〜 桜坂劇場にて上映  

Posted by 真喜屋 at 18:23Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2008年01月01日

『線路と娼婦とサッカーボール』で年が明ける

正月休みということで、サンプルビデオに目を通した。『線路と娼婦とサッカーボール』。前にもザラッと観た程度だったのだが、時間ができたので鑑賞。

娼婦たちのサッカーチーム、奮闘記
中米のグアテマラ。リネア(線路)と呼ばれる貧民街が舞台。そこで働く娼婦達がサッカーチームを作って、サッカー協会の試合に出場し、一般的な婦女子のチームと対戦するというドキュメンタリー。彼女たちがチームを作るのは何もサッカーが好きというだけの理由ではない。公式戦に出ることで、自分たちの社会的な権利を主張しようという目的を持っている。たかが売春婦が路上で叫んでも、誰も耳を貸してくれないというわけだ。幸か不幸か彼女達の活躍は多いに話題になる。彼女達と試合をするとAIDSが感染する恐れがあるとして、対戦相手の関係者からクレームが出たのだ。他にも難癖はいろいろ。そもそもAIDS なんてそんな簡単にうつるものではないが、そういうクレームが、最下層の娼婦達ではなく、教養のあるチームの保護者から出てくるところが、彼女達の立場と、社会の構造をあぶりだしている。

人の尊厳は平等に与えられるのか?
映画では当然ながら、チームメンバー一人一人の背景も映し出される。そこには当然ながら家族がいて、普通に子供たちもいる。そんな中で身体をはって日銭を稼ぎ、子供たちの学費まで稼ぐ母たちはたくましく美しい。子供たちはそんな母親を尊敬し、愛しているのが泣かせる。売春は良い仕事ではないし、誰にも勧めないが、それ自体が罪と言いきるのは難しいということが、この映画を観るとよくわかる。これは自らを貶める人々ではなく、最下層からスタートした人々の物語なのである。映画はその辺は問題提起しているが、深く降りていくことはしない。大事なのは彼女達の職業ではなく、人としての尊厳を見せつけることにあるのだ。サッカーというスポーツを通して、誰もがルールの元で対等になれることを証明することが重要なのである。さらに映画は、彼女達の職業を否定している人々が、彼女達のサッカーまでもを否定する矛盾を見せつける。

意外と熱狂できた試合シーン
もちろん映画には何度か試合のシーンも登場する。ハンドボールのコートのような小さなコートで、まるでホームビデオのような映像なのだが、彼女達の日常を見ているだけに、感情移入ができて意外と興奮して見ていた。なんだか運動会に身内を応援しに行ったようなハイな気分になれる。もう映画を観ているうちに、だんだん彼女達の職業がどうでもいい感じになって、ただ単純に応援している自分に、僕を初め多くの観客が気がつくだろう。そしてそれこそがこの映画の目指すべき方向なのだ。必ずしもハッピーエンドとは言えないラストだが、グアテマラの娼婦たちの、人生で一番ハッピーな時間を共有できる。その瞬間をいっしょに味わって欲しい。桜坂劇場での公開は2月末。絶対楽しめるし、元気になれるドキュメンタリーです。

>>『線路と娼婦とサッカーボール』公式サイト
2/23(土)〜 桜坂劇場にて公開  

Posted by 真喜屋 at 17:53Comments(0)TrackBack(1)映画紹介

2006年10月03日

『ホテル・ルワンダ』in KOZA

桜坂劇場は桜坂という土地に根ざした劇場を目指しています。が…、ここを拠点に様々な映館をあちこち持って行きたいと常日ごろ考えております。これまでも新聞社と組んで出張上映や、実行委員会とともに開催した名護での『ナミイと唄えば』上映、農連市場での『恋するトマト』、久茂地公民館での『点子ちゃんとアントン』の上映など。
そんなふうにいろんな人と組みながら、映館を待っている人のところにいけたらと思います。
で、コザの"沖縄市民小劇場あしびなー"さんからの声掛けで、ついにコザでの上映がスタートします。第一段は『ホテル・ルワンダ』。3日間限りですが、今後も定期的に上映して行く予定ですのでお楽しみにお待ちください。  

Posted by 真喜屋 at 09:10Comments(1)TrackBack(0)映画紹介

2006年10月02日

『フラガール』いいぞ!

土曜日初日の『フラガール』観ました!ひいき目なしに、すごい良くできた映画です。いやもうね、観客が一体となって笑ったり泣いたり。あげくの果てに「あ〜…」とか、ため息ついたりして。もう僕だけでなく、全員がこの映画を好きになって、のめり込んでいることが判る。実際に、時代背景とか知らなくたって、ぐいぐい引き込まれてさ。ベタベタの涙ではなく、笑いながら涙がこぼれてくるような爽快感を味わいました。今年の邦画No.1でしょう。

蒼井優の演技力のすばらしさはたまりません。その母親役の冨士純子もね、さすが仁侠映画のスター女優だけあって、そのたたずまいの迫力は、セリフなどいらない存在感でした。青春映画という枠を超えて、生きてくため、家族のため、村のために歯を食いしばって一人一人が戦ってる感じがもうたまりませんね。

監督の李相日といえば、ほんの数年前にデビューした若者です。日本映画学校の卒業製作『青 chon』でグランプリなど受賞。理由は忘れたけど、僕はその授賞式に顔を出してたっけ。その後も、彼の先輩が仕事仲間だったので、チョコチョコ事務所に顔を出す李監督とは同席する機会があったんだけど、何せ周りが先輩ばかり「おいっ、リー!」とか「李くん」とか、なんかぺーぺー感の漂う呼ばれ方をしていた。そんでこっちも、そんなに親しくないのですが、「あっ、李くんの新作か」とか、"くん"呼ばわりをしていました。しかし『フラガール』観ると、やっぱすごいね。ちゃんと、まっとうな映画で勝負できる実力派だなって感心しました。これからは「李監督」と呼びます。

劇場としてはこの傑作を、一人でも多くの人に見てもらうべくがんばりたいと思います。みんな、だまされたと思って観てね。  

Posted by 真喜屋 at 02:28Comments(5)TrackBack(6)映画紹介

2006年07月08日

『柔道龍虎房』に秒殺された私

ガツンと一撃を喰らった!それが『柔道龍虎房』の感想。まず最初に誤解のないように言っておくと、これはアクション映画ではない。良質の、きわめて良質の青春映画である。しかも青臭い青春映画ではなく、もはや青春なんて恥ずかしくて口にも出せないような、言ってしまえば、とうに青春を卒業していなければならない男と女の青春映画である。誰もが何かを引きずって、常にギラギラする瞬間を求めながらも、グダグダと日々を過ごしている。そんな人間たちが出会い、合流することで、少しずつ光が差してくる。それが本当にキラキラと輝いてたまらない。映画を観ながら何度も笑いの一本背負いに投げ飛ばされ、切なさの寝技に翻弄され、感動の有効を決めまくられる。観て損はないというより、観て欲しい作品なのである。

今や香港映画を代表する監督ジョニー・トー。『柔道龍虎房』の脚本は本当に巧い。テンポが良くて感動もあるが、馬鹿馬鹿しいくらいの"けれん味"も忘れちゃいない。ハートをギューッっと捕まれるようなシーンも、無駄なセリフがいっさいない。主人公たちの動きで、感動がスーッとしみ込んでくるようにできている。観てるこっちまで、登場人物と心が通いあうような瞬間が、そこかしこにある。これが映画の魅力ってやつだよね。

愚痴ではないですが、当劇場のプログラム・ディレクターの僕でさえ、香港映画が当たるなんて思っちゃいない。ジョニー・トー監督がすごいと言っても、一部のマニア受けしかしない監督と思われるのがオチだろう。それでも彼の作品は、沖縄で上映するに値する作品だと思う。実は桜坂ではこれまで『PTU』『マッスル・モンク』『ブレーキング・ニュース』『イエスタデイ、ワンスモア』に『柔道龍虎房』と、ジョニー・トー作品を通算5本も上映している。いや、冗談抜きでおもしろくて、娯楽性があって、巧い監督なのである。一週間しかやらないけれど、今からでも遅くはない。この傑作を見逃してはいけない。  

Posted by 真喜屋 at 23:45Comments(6)TrackBack(3)映画紹介

2006年07月08日

メリーさん登場

『ヨコハマメリー』は変則的に金曜日スタートとなったわけですが、好調なスタートでありました。口コミも期待される作品なので、今後が楽しみ。壁にはメリーさんを追いかけていた写真家の森日出夫さんの写真も展示しているので、そちらも写真の迫力をお楽しみください。それでこないだまで壁に貼っていた実物大ポスターを、作り直してメリーさんの実物大スタンリー(書き割り)を制作。身長は監督に聞いた「僕の肩くらい…」という、大ざっぱな証言をもとにパソコンで写真を拡大して作ったものです。宣伝のためというのもあるけど、やっぱメリーさんには立っていて欲しいんですよ、僕としては。行き交うお客様の間からかいま見得るメリーさん(書き割り)をみていると、なんだか本物のメリーさんもこうして書き割りのように街の中に立っていたんじゃないかと…そんな思いがよぎります。今日は劇場で「ヨコハマメリー」を観ました。人に話をしたくなるというよりは、心の中で反芻していたくなるような作品でした。深いです。今日はこのあとジョニー・トーの『柔道龍虎房』も観て帰ります。  

Posted by 真喜屋 at 20:31Comments(5)TrackBack(1)映画紹介

2006年07月03日

一周年

愛されて一周年。愛されたくて一周年。ともかく無事365日をやって来ました。今どき映画興行を始めるというのは大変なことなのですが、独自路線でどうにかこうにか乗りきってまいりました。日頃、お客様からの喜びの声やおしかりの声に一喜一憂しながら、大事な場所になってくれるようどりょくいたします。

とか何とか言いながら、一周年目のイベントも、大きなトラブルが二つほど。一つはフィルムの故の事故の部分はあるのですが、一つは映写ミス。フィルムの量が大量にあったとはいえ、やってはいけないミスでした。楽しみにしていただいたお客様には、本当にもうしわけないことをしてしまいました。この場を借りておわびいたします。

さて、その一周年イベント。フィルムリレーの『黒蜥蜴』はお客様があふれるほどの超人気でした。またどこかでカルトムービー大会の様なことをしてみたいと思いますので、その時までお待ちください。  

Posted by 真喜屋 at 08:26Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2006年06月27日

『ヨコハマメリー』監督来る

以前、個人でやっているサイトで、こんな文章を書いた。『ヨコハマメリー』という映画のことを聞いた時、それを思い出していた。いや、その文章を書いた時の気分を思い出していた。そして、最近では見かけなくなった大勢の街の中の人々のことを思った。すぐに上映を決めたのを覚えている。ビデオを見てもやはりおもしろい。巷の話題も高い評価の一本。こりゃあ桜坂でもきちんと宣伝せねばと、公開2週間前に監督をお呼びして宣伝活動。監督はまだ31歳。映画監督としてはこれがデビュー作。これから新聞やラジオ、テレビでも紹介されるので、ぜひ楽しみにしてください。

監督とは様々な映画談義で、道中もりあがる。若いけど、"メリーさん"という強烈な存在を追いかけただけあって、ドキュメンタリーの怖さや、おもしろさを知っている人だと思った。映画は非常におもしろく、感動的な内容ですので、ぜひご覧になってください。  

Posted by 真喜屋 at 00:00Comments(5)TrackBack(0)映画紹介

2006年06月11日

アニメーション特集

馬鹿みたいに雨が降り続けている。沖繩の梅雨は、しとしとではなくザーザーとやってくる。雨期という感じか。でも、以前タイで雨期を体験した雨期は、文字通り1m先も見えない滝のような雨だったので、あまり偉そうなことも言えない。あの時は雨の中からいきなり人が飛び出してきて驚いた。まあ、ともかく、雨は好きだが、客足が鈍るのが切ない。

そんな雨の中、土曜日から始まった映画が例によって数本。アニメーション作品の『立喰師列伝』と『ユーリ・ノルシュテインの世界』。両極的な作品である。『押井守』作品の実験精神というかチャレンジ精神は買いだ。セリフに意味を持たせすぎるのが、賛否が別れるところではあるが、日本を代表する作家の無謀なチャレンジをぜひその目で確かめてほしいです。

『ノルシュテイン特集』はもう必修課題。何の必修か?それは人生の必修です。人生のうちにこの作品と出会った人と、そうでない人とでは、ささやかだけど違いがある…ような気がする。弱気ではない。開き直りだ。だって僕らの仕事はそのささやかさを信じることでしか成り立たないのだから。

とにかくソ連が産んだ天才職人の手仕事を堪能してほしい。本当に美しく叙情豊かな切り紙アニメの世界。切り紙というと大ざっぱでチョキチョキしたイメージを持つかも知れないが、精密なイラストやフレスコ画、ロシア・アバンギャルドなポップさなど、時代と作品によっていろいろって楽しい。

そして名作『霧の中のハリネズミ』での豊かな叙情性は、彼の高度な撮影技術もすばらしい。技術論になると難しそうに聞こえるが、アニメにとってもレンズを何ミリで撮るかとか、照明、そしてあらゆる工夫のすべては、画家が絵筆を知り尽くすほどに重要なファクターだ。どんな画面作りをするかは、スクリーンの上の問題ではなく、観客の心に落とし込む技術の問題。さりげなく、しかし計算され尽くした映像の妙に触れてください。

そういえば昨日は『オリジンのお笑いライブ』もありました。普段劇場には来ない客層。つまり中高生女子たちが大挙して押し掛け、劇場の認知度もアップしたようでありがたい。こうやって世代をクロスオーバーする客層を呼べるのは、本当によろしいことだと思う。客の幅が広がるってことは、劇場の幅も広がるってことだしね。

土曜日の夕方には、アニメーション映画の企画の売り込みがあった。実現すれば非常に意欲的でおもしろく、かつ社会的なイベント。ヨーロッパではこの手のアートアニメが盛んだと聞きますが、アートで食えないのが日本の、そして沖繩の土壌でもあります。自己満足にならないような、きちんとした仕込みをしてみたいと思います。これも静かに進めるべき事業でしょう。

夜になって大きな名護の上映委員会から電話。本日行った『ナミイと唄えば』名護上映。土砂降りの中、想像以上の人が押し掛けて大成功でした。名護の皆さん、お客さんもスタッフもありがとうございます。桜坂劇場はこれからも地方上映似積極的に関わっていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

そして日曜日。今日から東京へ出張です。明日は蔡明亮の映画が観てきまっせ!  

Posted by 真喜屋 at 10:33Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2006年06月06日

蔡明亮の新作と『太陽』

昨日届いた漢字だらけの試写状。読むのが面倒くさいのでを、ついついほっぽらかしていたのだが、改めて目を通すとなんとプレノンアッシュからの試写状ではないか。もしやと思って眺めてみると、やはりツァイ・ミンリャン(蔡明亮)の新作ではないか。全部タイトルが邦題(そのくせ全部漢字二文字の中国語風)なので、パッと見でわからなかったのだ。

なかでも『西瓜』は昨年台北滞在中に観ようと思って見逃した一本。元のタイトルは『天邊一朶雲』。ついでに昨年に出張で行った東京国際映画祭でも見逃した作品。その時の名前は『浮気雲』。フワフワと現代社会を漂うデラシネ感漂うタイトルです。それがなぜ『西瓜』かというと、まあ映画を観ればすぐにわかるでしょう。春先にゴダール映画を桜坂劇場でやったときも、プレノンアッシュの担当者と、いつごろ、どこが配給するのかってブツブツ相談していたのだ。ああ、でもようやく日本公開決定。しかも、来週東京に出張で行くので、試写が見れます。

さらに9月にイッセー尾形さん参加のワークショップを行うのですが、先日そのイッセーさんが主演でソクーロフ監督の『太陽』の日本配給がスローラーナーに決定。ここは是非ともタイミングを合わせて上映できないかを申し込むFAXを流す。『太陽』はイッセー尾形が昭和天皇を演じるという、非常に話題性の高い作品。今まで面と向かってこういう題材を映画にした人はいませんでしたから、日本公開も危ぶまれていたので、なにはともあれ無事に公開が決まって嬉しいです。

あと楽しみにしていた『フラガール』は出発の日が試写の当日で、飛行機の都合で間にあいそうにありませんでした。残念。

夕方から高良結香さんの壮行会。彼女は先日、桜坂劇場でステージをやったばかりだが、この夏ブロードウェイで『コーラスライン』のステージに立つ。すげ〜〜〜!足型くらいとっておけばよかったと思っても後のおまつり。しかし、あの小さな体に、それだけのパワーがあると思うと脱帽です。

今日の壮行会はサプライズパーティーで、あらかじめ別の名目で家族のパーティーを仕込んでおき、そこに大勢で押し掛けるという筋書き。いやあ楽しかった。食事も美味しかったので感動もひとしお。

その後劇場にもどって『Electric Sanshin』のトークショーのお相手。今日は出演もしている版画家の儀間比呂志さんも観に来られていて感動。  

Posted by 真喜屋 at 23:43Comments(1)TrackBack(0)映画紹介

2006年06月05日

『Electric Sanshin』イタリア人の見た沖縄

土曜日からスタートしたもう一本。イタリア人映像作家ロイク・ストラーニの『Electric Sanshin』。沖縄で活躍するアーティストらにチャンプルー文化について質問した興味深い内容。登川誠人さん、名嘉睦稔さん、照屋林賢さんなどよく見る人々から、ビデオ・アーティストの山城さんや若手ミュージシャンなど、浅くではあるがバラエティに富んだ人々の意見が、ランダムにチョイスされていて、並べて見た時に新鮮なおもしろさを感じました。

上映時間が短いので、毎日監督のロイク(沖縄に住んでいます)を迎えてトークショーなんて贅沢なことをしている。作り手と観客を結びつけるなんて、東京じゃなきゃ、なかなかできない。こういうことは大変ですが、やっぱ観客からの生の意見を聞けるというのがステキです。

内容もチャンプルーという沖縄的な話題なだけに、みんないろいろ意見も湧いてくるようで、ちょっと突き詰めるとあれこれと広がっていく。あまり脱線しないようにしつつも、バラエティさを引き出していくように注意しています。2日目は1日目よりも、こなれたせいか、より深みのあるトークだったと思います。このまま金曜日まで駆け抜けましょう。  

Posted by 真喜屋 at 08:35Comments(4)TrackBack(3)映画紹介

2006年06月04日

待ちに待った『マクダル』公開

マクダル『マクダル・パイナップルパン王子』(6/9まで)は、今の香港を知る貴重な作品。かわいらしいキャラクターを見て子供映画と思われがちだが、多くの毒を含んでいる大人のためのアニメ。毒というと、すぐに『サウスパーク』などを引き合いに出す人もいるが、そんな凶悪な毒ではない。心の奥底に静かにトラウマを刻んでいくような、そんな毒である。かえってタチが悪いという気もするが、遅かれ早かれ人というものは傷を背負い、それでも前向きに生きていくしかない。『マクダル〜』は、そんな傷を見せつけながら、希望を迷いなく見据える。歳を重ねた人に、未来に不安を抱く若者にも見てほしいような作品なのだ。

この映画に出てくるモノすべてが優しい。毒さえも優しく、しかし強固に人の足をひっぱる。それでも前を見据えることを、けしてやめようとしない子供たち(香港人)の決意表明が、この作品に強い感動をもたらしてる。子ブタたちは日々のスピードで前に進む。たとえ親と決別しても…。子ブタたちの未来に幸多からんことを。そんな祈りにもにた気分が、静かに胸に染みる。これぞ現代香港アートの傑作であり、中華圏での大ヒットが裏付けるような大衆性もある希有な映画なのである。

で、たまたま『マクダル〜』初日に配給会社マジックアワーの有吉さんが来ていた。現在ロケ中の岸本監督の沖縄を舞台にしたホラー映画、『アコークロー』の製作もやっていて、たまたま沖縄に滞在していたのだ。

二人で『マクダル〜』のポスターを観ながら立ち話。有吉さんも『マクダル〜』はお気に入りらしく、『マクダル・パイナップルパン王子』の前作、『マイ・ライフ・アズ・マクダル』も、日本公開するつもりらしい。驚くことに『パイナップルパン王子』の冒頭には予告編がついているくらいだ。で、二人で宣伝について立ち話。実はこの手の作品は売るのが難しい。漫画からテレビ、そして映画へと徐々に人気が上り詰めた香港と違って、日本ではマクダルの知名度は低い。ポスターのかわいいイラストだけ見せても、《お子様映画》と思われてしまうのがオチなのだ。かといってチラシを読んでも、この映画の魅力を伝えづらい。口コミが広まるのを待つほど劇場も押さえられない。そういう場合は一般的に《見せ込む》という手法、つまり評論家やタレントなどのオピニオンリーダーとなる人々に、試写やサンプルビデオで見てもらい、記事にしたり番組でしゃべってもらう必要がある。しかし大作映画と違って、この手のクラスの作品は、試写会をすればマスコミ全員が見に来てくれるわけでもない。もう地道に観てもらう努力をするしかない。

でも、すばらしい作品なので、皆さん見てくださいね。  

Posted by 真喜屋 at 14:30Comments(0)TrackBack(0)映画紹介

2006年05月14日

『ホテル・ルワンダ』『母三人』で盛況

昨日より『ホテル・ルワンダ』と『母三人』の最強作品を含む、計4本が公開スタート。

イベントでホールAが使えないので、100人キャパのホールBにて『ホテル・ルワンダ』はスタート。おかげで補助席が出る勢いです。僕もあらためてスクリーンで観ましたが(立ち見)、なんだろう、静かな感動がひしひしと押し寄せるのに、さいごにググッと込み上げてくるものがある。噂どおり、派手さはないけど良い作品です。エンディングの唄まできちんと字幕を読んで帰りましょう。

ホールCで昼2回しか上映していない『母三人』。主演は《母モノ》女優の見益愛子。若い人は知らないでしょうが、映画史に残る、涙腺放流映画!つまり泣かせる映画。伝説的な割にはあまり名画座などでかかっているのを見たことがない。桜坂劇場は名画座というよりは大衆娯楽路線。映画は芸術じゃなくて芸能!って感じなのでもちろんこういう映画を支持。しかも母の日公演!ベタなくらいがちょうど良いですね。
実際フタを開けたら補助席が出るほどの大盛況。オバアたちがが大挙して押し寄せてくる様は見モノですよ。みんなキャッ!キャッ!とかわいらしいんだこれが。
上映中の劇場に入ると鼻をすする音が聞こえてきたりしてね。ハンカチもって出てくるお客さんがいっぱい。若い人もオバァたちといっしょにこういう映画を観ると良い体験になると思います。

『カミュなんか知らない』は低調ではありますが、アート系なだけに致し方ない。しかし映画ファンなら抑えて欲しい作品です。同じくガス・ヴァン・サントの『エレファント』もすごい。リアルタイムに時間が過ぎていくので、映画と時間を共有できる。『ラストデイズ』の前にぜひチェック。  

Posted by 真喜屋 at 19:39Comments(0)TrackBack(1)映画紹介

2006年05月12日

『ホテル・ルワンダ』明日から!


いよいよ、明日から『ホテル・ルワンダ』上映スタート。
ただし、明日明後日はホールAがライブのために、ホールBでの上映です。混雑が予想されます。一日中、もう大騒ぎになると嬉しいです。まあ、どんなものでも初日はドキドキですが、今回はテレビスポットも流しているので、それなりに宣伝費かけてますので、ハラハラもひとしおです。

『ホテル・ルワンダ』は、ネットをやる人にはもう知ってる方も多いと思いますが、感動大作です。ぜひ、公式サイトをご確認ください。僕も観ましたが、本当にいい映画です。  

Posted by 真喜屋 at 10:35Comments(0)TrackBack(1)映画紹介

2006年04月23日

アニメもやるぞ!

昨日から始まった『イエローサブマリン』は傑作です。もちろんビートルズのアニメですが、アニメ、イラスト、音楽などアートに興味のあるかたは必見。自由に動き回るイメージと、手法の見本市のような楽しさ。
夜、家に帰ってから『マクダル・パイナップルパン王子』のサンプルビデオを観る。
も〜〜〜〜〜〜う、シミジミ。なけるって言うと大袈裟だけど、切なさで胸がはじけそうと箱のことですね。スクリーンで見るのが楽しみ。

ちなみに6月のアニメ特集はこんな感じ

6/3(土)〜6/9(金)
『マクダル パイナップルパン王子』
http://www.mcdull.jp/

6/10(土)〜6/23(金)
『立喰師列伝』
http://www.tachiguishi.com/top.html

6/10(土)〜6/16(金)
『ユーリ・ノルシュテイン短編集』
http://www.comicbox.co.jp/norshtein/

6/17(土)〜6/30(金)
『死者の書』
http://www.kihachiro.com/index2.htm  

Posted by 真喜屋 at 20:52Comments(0)TrackBack(0)映画紹介